「相手が本当は何を考えているか分からない問題」は、カウンセリングでもたくさん扱わせていただくテーマです。
相手の心理を見ていくことも必要ですが、自分がコミットすることで見えてくるものがあります。
今日の内容はもうタイトルの通りなんですけど、
「コミットすれば相手の本音が見えてくるよ〜」ということですが、これはちょっと奥が深くて、コミットして相手の本音が見えてきた時に、もう一層深く今度は自分の本音が見えてきます。その奥に隠れていた本音と自分がどう向き合うのか?
それが人生を豊かにするターニングポイントになります。
目次
コミットの本当の意味とは
まずは、コミットの意味ですが、簡単に言うと「決める!腹をくくる!」ということです。
これが簡単なように見えて実は難しいんですよね。
「私は彼のことが好き」
それは自分でも分かっているし、彼にも伝えている。
私はちゃんとコミット出来てます!
カウンセリングでは、コミットの話をするとこのような返事が返ってきます。
でも、相手に「好き」という気持ちをいくら伝えても、彼といくら話し合ってもお互いが通じ合えないような状態になっていませんか?
コミットとは、ある決断をして(腹をくくって)それに対する結果や状況を受け止めるところまでがセットです。
好き(彼と付き合いたい、結婚したい)と決めることが出来ても、その後にどんな状況が待ち受けていても、受け止める覚悟が出来ていないことがあります。その覚悟まで含めてコミットなんですよね。
コミットは難しい!?
心理学を勉強し始めた時に師匠が
「コミットはみんなが嫌いな心理学の言葉第一位!」とよく言っていたのですが、僕にはその意味がわかりませんでした。
「決めること」がなんでそんな嫌いなの?と。
もちろんAかBで迷っていて、それが複雑に絡み合っているのなら、答えを決めるのは難しいかもしれません。
しかし、恋愛において「彼が好きなのか?」「彼女が好きなのか?」それは決めると言うまでもなく分かりきったことだろうと思ってました
。
でも、コミットは先ほども言ったように「決める」だけではなくて、決めた先の結果までもちゃんと受け止める覚悟を持つことも含まれています。
その覚悟を持つことが難しい。
出来れば自分が決めて、その結果が自分の思い通りになってほしいと思いますからね。
誰も好き好んで自分が思う結果にならない未来を決めたいと思いません。
カレーうどんを店員さんに頼めばカレーうどんが出てくるので決められるわけであって、
カレーうどんを頼んでも、まったく違うオムライスが出てくる可能性があればもはやメニューを開いて決めることなんて出来ません。
お店の文句を言うかもしれません。
「なんてお店だ!」と。
これが恋愛でも起こってます、
「私がコミットしているのに、彼はコミットしてくれません!」
彼が悪い奴のように思えてきますし、ムカついてくるかもしれません。
でもこれは「私が決めたのに、彼は私の『思い通り』に動いてくれません!」ということなんですよね。
実はこれはコミットではなくて、コントロールをしているのは分かりますか?
自分の思い通りに相手に動いてもらおうとしているのです。
相手をコントールしたくなる気持ち
恋愛に限らずに人間関係は相手をコントロールしようとすると2人の関係に溝が出来てしまいます。
好きな気持ちを伝えることで、相手との溝を作ってしまっているとしたら、それは本来の目的とは離れていますよね。
で、自分のコミットの結果がどんなものでも受け止める覚悟があればコントールしたい欲求も無くなります。
相手との溝を作らなくて済むんですよね。
コミットすると清々しい気持ちになることがあります。
どんな結果でも受け止めていくということは、ある意味、不安や恐れも手放している状況でもあります。
コミットした瞬間にふわっと心が軽くなることがあります。
カウンセリングでも長い間ずっとどうしようかと頭を抱えて悩んでいた方が、コミットした瞬間に表情がスッと変わることがあります。
もし相手をコントロールしようとしているのなら、まだコミットしきれていないかもしれません。
好きな人だから気持ちを伝えるのにドキドキするし、そりゃやっぱりその人と幸せな未来がある方がいいですよね。
どうしてもコントロールしてしまうかもしれません。
奪うのではなく与えるイメージで
でも、それは相手から自由を奪ってしまう行為でもあります。
あなたが相手を強く握りしめてしまうと相手は不自由さを感じてしまいますからね。
相手の本音も見えてきませんし、溝も生まれてしまいます。
そうならないように、不安から握りしめたその手を離してみてください。
心理学は相手を思うようにコントロールするためではなくて、
あなたの気持ちを相手に伝わりやすくすることに使ってくださいね。
彼の本音がちゃんと見えていますか?
あなたがちゃんとコミットできるようになると、相手の本音が見えてきます。
コントロールを手放すことは期待を手放すことでもあります。
すると相手の本音がちゃんと見えてきます。
私たちは自分の思い通りにしようとしている時に、相手のありのままが見えてません。
相手には相手の理由がある
例えば
「将来は一緒にバンドやろうぜ!音楽で食べていこうぜ!」と高校一年生の時に音楽が好きな友達と話していたとします。
そんな話をしながらも、高校三年生になるとなんとなく受験勉強したり、就職活動していたりいうことは普通にあります。
だからと言って「バンドやりたい!」という気持ちが友達も自分も嘘かと言えば、そうではありませんよね。
卒業が近づいてきてリアルにその後のことを考えた時に、バンドをやりたい気持ちとその他の生活や将来を天秤にかけた時に、「バンドで食べていく」という選択をしなかっただけです。
あなたがもし本気で「バンドで食っていこうぜ!」とコミットしていて、その気持ちを相手に伝えるかもしれません。
でも、相手はやっぱりと乗り気ではない。
ショックなことかもしれません。
しかし、友達があなたのことを嫌いだからではないですし、本当が本当は好きじゃないってことでもありません。
あなたも好きだし、音楽も好きだけど、それを仕事にしようと思った時にコミットしきれない理由があるのです。
もしかしたら、安定した仕事で家族を支えていかなければいけないかもしれませんよね。
コントロールが本音を見えなくする
恋愛でも同じようなことがあります。
例えば、「いつか結婚しよう」と言っていても、いざその話を本格的に進めようとすると「あれ?なんで?」みたいなことが起きていきます。
あなたが本気で結婚にコミットすると、相手も本気でコミットしなければいけませんからね。
相手の準備や覚悟が不十分かもしれませんし、リアルに結婚を考えた時にそれに前向きに慣れない理由があるのかもしれません。
(過去の恋愛の失敗経験や家族との関係、経済的な理由などなど)
あなたからすれば「この嘘つき!クソ野郎!」と思うかもしれません。
だけど、先ほどのバンドの話のようにあなたのことが嫌いなわけでもないし、一緒にいて楽しくないわけじゃないのです。
で、その時に相手をコントロールしようとする気持ちがあると、その部分が見えてこないわけです。
相手をちゃんと見ることよりも、自分の不安から自分の思い通りに相手を動かそうとしてしまいますからね。
相手を見ているようで、実は自分の不安を見ているのです。
サングラスをつけているようなものですよね。
相手のことを見ているつもりが、ちゃんと見ていないのです。
不安というフィルターを通して見てしまっているのです。
彼との問題で隠しているものは?
ここでポイントなのは、現時点で相手と望んでいるゴールが違うだけなのです。
マラソンで言えば42,195キロ走りたい人もいれば、10キロでいい人もいますからね。
もちろん、
自分がコミットした姿を見せることで相手が気持ちを変えてくれることがあります。
「あなたがどれだけ本気でバンドに打ち込みたいか?」その情熱を伝えることで、
「相手もそれなら俺も本気でチャレンジしたい!」とコミットできるようになることがあります。
あなたが本気で彼と幸せになりたい情熱を伝えることで、彼の気持ちが動くことがあります。
カウンセリングでアドバイスしていることも、いかに自分の想いをまっすぐ伝えられるようになるか?ですからね。
自分がバンドで生きていくことにビビっていたら、それは相手に伝ってしまいますからね。
「こいつ1人では勇気がないからって俺を巻き込もうとしてない?」と相手に伝わってしまうと、相手の心が動きません。
「お前も覚悟出来てない!」と相手は思いますからね。
「あなたは本当に自分が幸せになることに許可を出せていますか?」
それは本当に大切になってきます。
自分の気持ちを向き合っていく
あなたがコミットして相手の状況をちゃんと見ることができて、それがあなたが望んでいた結果と違う時に、ここであなたはより一層深い部分の自分と向き合う必要が出てきます。
先ほどのバンドの話で言えば
「その友達とではなくてもバンドを組んで音楽の世界でチャレンジしたいのか?」
「友達とバンドがしたいから、趣味としてやっていくのか?」
本当に自分がどうしたいのか?
さらにコミットしていく必要があります。
恋愛なら
その彼といたいから、彼が結婚してくれなくて側にいる選択をするか?
それとも自分は彼以外を選ばなければいけないけど「結婚」をしたいのか?
自分が本当に求めているものと向き合う必要があります。
ここと向き合うのが嫌なんですよね。
だって彼がいいし、彼と結婚したいですからね。
だから、自分が望む通りに彼が動いてくれるのが一番なんですよ。
でも、それを望むと相手をコントロールしてしまいますからね。
「あいつがコミットすれば(変われば)私は幸せになれるのに!」
そんな文句が出てくると思います。
でも、これは依存の一つの形態なんですよね。依存することが悪いことではないですが、依存している状態だと相手の行動や態度に自分の感情が振り回されてしまいます。相手を愛すれば愛するほど、自分が傷付いてしまう気がするし、苦しくなってしまいます。
自分がこの状況で依存していることには気が付きません。
ワガママなのは相手の方で、相手が(精神的に)自立していなくてふわふわ浮ついているからと思ってしまいますからね。
本気でコミットすることは!?
ここからメインテーマになります。
前置きが長かったですね。
あなたの中にある依存心が今のうまくいかない恋愛を長期戦にしているのかもしれません。
依存しているから相手に期待してしまうし、思い通りに動いてくれれば幸せを感じることができますからね。
相手に期待することも依存することも悪いことではありません。
しかし、そのパターンを繰り返すことで問題が起きてしまっているのであれば、その根本を癒していく必要があるかもしれませんよね。
「お母さんが〇〇してくれたら良かったのに!」
「お父さんが〇〇だったら、一緒に遊べたのに!」
もしかしたら、彼との関係以外にもこのような想いをたくさん経験してきたのかもしれません。
その時にどうしようもない気持ちを抱えてしまって、
まるで一発逆転ホームランを打つように彼との関係が改善されたら、その積み重なった過去の出来事も一緒に整理できるように思っているかもしれません。
その気持ちもすごく分かります。
でも、現実問題、それでうまくいっていなくて、より悲しみや苦しみを抱えてしまっているのではないでしょうか?
では狙うのは一発逆転ホームランではなくて、過去に抱えてしまったその感情を少しずつ癒していくことなんですよね。
相手と同じパターンを持っている!?
ちょっとだけ話がずれますが、
あなたが自分の過去と向き合えていないと、同じように自分の過去と向き合えない相手を選んでしまいます。
なんで相手はいつまでも自分の過去をひきづっているのか?
失恋(離婚)の痛みを抱えている?
まだ両親とのことに囚われているの?
と思ったことはありませんか。
それは自分の心の中を実は投影しているのです。
あなたの過去の痛みが癒やされていないかもしれません。
あなたが両親との関係に整理がついていないかもしれません。
あなたが過去と向き合えないのかもしれないです。
ここで必要なことは傷付いてきた過去を本気で癒すことです。
パンドラの箱のようにその過去を封印していませんか?
今さら過去のことを考えてもどうしようもない。
自分と向き合っても意味はない。
そう思っていませんか。
彼も同じように考えているかもしれませんよね。
自分を癒すことに本気になってみる
パートナーシップとは、本当に鏡のようなものです。
相手に求めていることは実は自分に必要なことなんですよね。
ということは目の前の
「あいつが変われば幸せになれるのに!!」と文句を言いたくなる相手は、
あなたに大切なことを教えてくれているのかもしれません。
あなたの傷付いてきた過去を癒すタイミングが来ていることを。
彼のことはちょっと放っておいて、傷付いてきた自分を癒してあげませんか?
今度はそこにコミットする時かもしれませんよ。
彼との問題で自分を癒すことを先延ばしなくて大丈夫です。
あなたの過去も、痛みも、受け止めて愛し癒してあげる時です。
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