プリンを探したら、人生が変わった話
カウンセリングをしていたら「私の話を記事で紹介してください」と言われることがあります。
自分に起きた変化や感覚を他の人にも共有したい。
その想いは、自分がきっとこんな風に変われると思ってなかったから、同じように「私は結局変われない」と思っている人に知らせてあげたくなるでしょうね
今日は、そんな想いを持ったAさんに起きた出来事を。
「自分の心と向き合うのはもうやめましょう!」
Aさんがカウンセリングに来られたのは、離婚から数年経ってからのことです。
離婚の理由は、夫への愛が冷めてしまって、他の人を好きになってしまった。
夫と離婚したけれど、その好きな人とも結局はうまくいかずに、そのまま恋愛から遠ざかっていました。
カウンセリングに来た理由は、「仕事を頑張れなくなった」「朝出勤する時に心がズーンと重くなって、そのまま動けなくなる恐怖を感じていたこと」でした。
ハードワークが限界を迎えて、心と体がSOSのサインを出してたんですよ。
恋愛と関係なかったんですよね。
で、Aさんは僕のブログを読みまくって、カウンセリングを受けに来ました。
「私は自分の心を向き合わずに逃げてきました。母親が厳しくて、ずっと言う通りに生きてきたのがいけないんです。だから、自分の気持ちを向き合なければいけない」
まぁ、確かにハードワークの一つの理由に「期待に応える心理」はあります。
自分でブログを読んで、原因を解明しているあたりがtheハードワーク!って感じがしますよね。
でも、「自分の心を向き合わなければいけない!」と強く語るAさんには、仕事がハードワークになったように、自分の心と向き合うことをハードワークの代わりにしそうな勢いがありました。
で、僕が伝えたのが、この章のタイトルです。
「自分の心を向き合うのはもうやめましょう!」
自分の心を向き合うことは悪いわけじゃありません。
でも、仕事のミスをしらみ潰しに見つけるように、自分の過去や心と向き合うことは、それこそ「仕事」や「義務」「責任」と同じになってしまいます。
心に余裕やゆとりがない状態で、心を向き合っても、自分を責める理由を見つけるだけに終わることがありますからね。
心の準備運動を始める
まぁAさんは戸惑ってました。
そうですよね。根っからのハードワーカーでしたから、カウンセリング話す内容もブログを元に準備してましたからね。
「Aさん、好きなことやテンションが上がることはなんですか?」
「わかりません」
少し考えて、キッパリと答えるAさん。
そこから心が動かされることを見つける旅が始まりました。
心は準備体操が必要ですからね。頭で考えてもワクワクするものは見つからないことがほとんどです。Aさんみたいに限界まで仕事で頭を使っている人は特に。
「じゃあ、まずは適当にやっていきましょう!興味がなくても、あっても、やれそうなことや、やってみたことないこと、遠ざかっていたことをやってください」
体の準備体操と同じです。頭で考えるのではなくて、とにかく動いてみることで、コリがほぐれていきます。血液の循環が良くなるように、心のセンサーが働き出します。
プリンが好きなことに気が付く
山登りに行ったり、ワイン会に行ったり、その感想や次の計画をカウンセリングで話してくれました。
心の話も少しはしてましたけどね。仕事を離れて新しい場所に出掛けていくことは、いい意味でリフレッシュになったみたいです。
悩みついて考えるよりも、悩みを忘れる方が心が回復することがあるんですよね。
いろいろ話を聞いている中で、あるカフェに行った話で、Aさんのテンションが少しだけ違ったんですよね。温度にしたら0.5度から1.0度高い感じ。
「プリンがすごい美味しかった」と
でも、本当はもっと固めの方が好みで、理想のプリンがもっとあるんじゃないかと。
そこからAさんの理想のプリンを探す旅が始まります。
心の準備運動ができて、好きなものセンサーに引っかかったのがプリンだったわけです。
そこからは「どこどこのプリンはカラメルがイマイチで、、」「クリームが乗っている方が好きかも」と。
プリンやカフェの話がカウンセリングのメインになって行きました。
幼少の頃からの痛みや寂しさを癒す心の鍵
「カウンセリングのお金で、もっとたくさんのプリンを食べに行けるけど、桑野さんのカウンセリングを受けたいんですよね」
ある時、Aさんがこう口にしました。
確かにそうです。
プリンでテンションが上がるなら、カウンセリング代をプリンに回した方がはるかにコスパがいい。
でも、ただプリンを食べることではなくて、自分の感動や体験をありのままに話せる時間こそがAさんの心を癒してくれていたのです。
本当は幼少期に母親とそんな時間を過ごしたかったのかもしれない。
「そんなことよりも〇〇しなさい!」
そう言われることで、Aさんは自分の心の感動を閉じ込めてきたのです。
夫婦関係でも、その癖は止めることはできなかった。
それがいつしか溝となって、心の感動を得られない夫への気持ちは冷めていった。
でも、他の人でも同じ癖が出てきますからね。
最初は上手くいくように思えるけど、関係が深まると心が固まっていく。
「何もジャッジも否定もされない、相手の機嫌を伺うこともしなくていい」
それがAさんの幼少の頃からの痛みや寂しさを癒す心の鍵となったのです。
妻としての役割を完璧しなくても、仕事で結果を出さなくても、勉強でいい成績を取らなくても、自分に目を向けてくれる存在と時間がAさんの心をほぐしていきました。
自己イメージも、他者との関わり方のベースも少しずつ塗り変わっていきました。
それからしばらくして、Aさんには彼氏ができました。
恋活をしていることは特に聞いていなかったですが、Aさん曰く、「また恋をしていいような気がしたんですよね」と。
最後に
細かいところを省略しています。
母親との思い出を語ることもありましたし、仕事や結婚生活の話もしました。
ただメインはプリンの話です。
「こんな話くらいなら、誰とでもしてるんですけどね」とAさんも言ってました。
でも、仕事の話、親の話、恋愛の話、すべてを飾らずに話せる相手に、自分の好きな話をすることがAさんには必要だったんだと思います。
自分の心を向き合うことは、心理学の知識を使って頭で自分や過去を紐解いていくだけではありません。
本当に必要としている時間を過ごすことで、満たされなかった心を埋めることができます。
それも、自分の心と向き合う大切なことですからね。
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