恋愛

認めてもらえない気持ちが引き起こす恋愛の執着

・元カレへの執着を手放したいです。
・彼の返事を待っていても、しんどいだけなので手放したいです。
・うまくいかないと分かっているのに、彼に何度も連絡をしてしまいます。

恋愛の相談に執着と手放しは様々な形でテーマとして出てきます。

執着にどんなイメージを持ってますか?

皆さんは「執着」や「手放し」にはどのようなイメージを持っていますか?
ポジティヴで明るいイメージを持たれている方は少ないかと思います。

それは執着や手放しという言葉と、「しんどい」「きつい」といったネガティブな感情がくっついているからです。

執着するから幸せではないのか?幸せでないから執着してしまうのか?
彼を手放そうとするから痛みが出てくるのか?痛みがあるから彼を手放した方がいいのか?

考えれば考えるほど迷宮入りしてしまいます。


その思考の迷路を探索している間に感じている感情はネガティヴなものばかりです。その迷宮を抜け出した先にも自分がポジティヴな感情を感じられることがないような気さえしてしまいます。

ネガティヴな感情がベースになっていると

ネガティヴな感情がベースになってしまっていると
現在も過去も、未来でさえも、ネガティヴなメガネをかけて見てしまいます。

「私はこれまでも、これからもずっと孤独かもしれない」

これが執着や手放しといったキーワードに対するマイナスな印象を強くしている1つの要因になっています。

では、
幸せなならば彼に執着するようなことはあるのでしょうか?
幸せならば彼を手放すことに痛みを感じるのでしょうか?

「桑野量、お前何を言っているんだ!?」という質問をあえてさせていただきました。

「恋愛でうまくいかないから、しんどくて執着してしまうし、彼を手放したらいいか?迷ってしまうんです!」と言いたくなるかもしれません。

しんどいのは恋愛だけ?

あなたがしんどさを感じているのは本当に恋愛だけでしょうか?

心理学に長くたずさわってきていますが、
クライアントさんが抱えている問題が本当に「恋愛だけ」というケースには今まで出会ったことはありません。

恋愛の問題だけクリアしたら私は幸せになれる!
彼の気持ちさえ動かすことができれば、もう大丈夫!

そう思われるかもしれませんが、実際はそうではないことがほとんどです。

私たちが執着や手放しといったテーマと向き合うことが難しいのは、目の前にいる相手(彼)との関係だけではなく、自分が今まで接してきた様々な人間関係が影響しているからです。

「彼との関係だけではなくて、お母さんとの関係、お父さんとの関係etcまで見直していかないといけないの?」と大変そうに思えるかもしれません。

恋愛の問題をきっかけに嬉しい副作用が起きることがあります。

・今まで妹と会ってもギクシャクしてしまったけど、最近仲良く話せるようになりました。

・久しぶりに実家で父と一緒に食事をしました。何気無い会話しかなかったけど、社会に出て働き始めてからずっとこんな時間はなかったかもしれません。

・母親と私が子供の頃の話をしました。母は弟の世話で大変そうでしたし、男の子の方が可愛いのかなと思ってましたが、私の小さい頃のことをちゃんと覚えててくれて、私は母に嫌われていたと思っていのは、勘違いだったのかもしれません。

・過去に離婚した元旦那のこと。もう終わってしまったことで、自分ではもう整理もついてるし、もう大丈夫だと思っていたけど、本当はまだまだ悲しい気持ちややるせない想いを抱え続けていたこと気がつけました。離婚してからずっと一人で頑張っていた自分に優しくしようと思えました。

心の荷物は見えない

もしあなたがたくさんの荷物をリュックに抱えてそれを背負っているとその重たさや肩の疲労を感じることが出来ますが、心の荷物は何も感じていないように麻痺させることも出来てしまいます。

重すぎるリュックを背負っていると疲れてしまうように、心に荷物を抱えすぎてしまっているとそれに気が付いていなくても、知らず知らずのうちに疲れてしまいます。

そのような心の荷物が「恋愛」というテーマと向き合っていく中で、軽くなっていくことがあります。

さて前置きが長くなってしまいましたが、
今回は執着や手放しといったテーマと向き合うときに、自分では気が付いていないけど、そこに大きく強く影響しているものがあります。

それは「私は誰にも認めてもらえてない」という気持ちです。

今日はその気持ちがどう恋愛に影響しているか?解説していきます。

「私は認めてもらえない」が引き起こすもの

「私は誰にも認めてもらえてない」

この気持ちが強いと手強い相手(なかなか振り向いてくれない相手、友達以上の関係なのに恋愛関係になろうとしない相手)を追いかけてしまうことがあります。

純粋に相手のことが好きならば良いのですが、

「彼の気持ちは私にしか分かってあげられない!」
「あのまま彼を放っておいても幸せになれない、彼の為になんとかしてあげたい!」
「彼を助けてあげられるのは私しかいないんです!」
「このまま彼を見捨てたら、彼は一生孤独になってしまいます!」
「彼の方がたくさんの傷を抱えているから、私はどれだけきつくても我慢できます」

もし
このような気持ちが全面に出てしまっているのなら、ちょっと注意が必要かもしれません。

本当は自分が求めている?

なぜなら、これはあなたの中にある「私は誰にも認めてもらえない」という気持ちが投影されてしまっている可能性があるからです。

本当は自分がして欲しいことを、相手にしてあげているのです。

それ自体はとても素晴らしいことです。自分がしてもらえてないこと、やってもらっていないことを誰かにしてあげることが本当に大変なことですからね。それでも、相手の為にやってあげたいと思えるのは素晴らしいと思います。

しかし、注意しておきたいポイントが2つあるのです。

1つは、自分の中にある「私は誰にも認めてもらえてない」という気持ちと、自分自身が向き合えずに彼に投影し過ぎていると、相手の気持ちも分からなくなっていきます。

それは自分の中にある「私は誰にも認めてもらえない」という気持ちに触れることが出来ないので、その気持ちを使って彼を理解することが出来なくなってしまうのです。

少し分かりにくいかもしれませんので、もう少し解説していきますね。
私たちは自分の中にある孤独やさみしさというネガティヴな感情を使って、相手の気持ちを理解して共感することが出来ます。

例えば昔いじめにあって集団から孤立してしまった経験がある人は、同じように集団で孤独を感じている人の気持ちが分かります。

その人が過去の経験から人と親密になる時に疑いや恐れからなかなか馴染めないこともあるかもしれません。

集団から孤立したといった経験がない人は、友達になろうとしているのになかなか馴染めない人の気持ちや行動が分からないことがあります。「なんで、友達になろうとしているのに、微妙な態度をするの?」と不思議に思ってしまうのです。

しかし
同じような孤独を感じたことがある人は、「そうだよね〜、なかなか素直になれないよね。誘われて嬉しいけど約束をドタキャンしてしまったり、会話に入れてもらってもうまく返事出来なくて黙ってしまったりあるよね〜」と理解してあげることが出来ます。

自分の感情に触れられるから相手の感情にも触れられる

ここからがポイントなのですが、
同じような経験をしても自分の中にあるその時に感じていた感情や感覚に触れることが出来ない人は、その感情や感覚を使って相手を理解するところまで出来ないことがあります。

「彼の気持ちが分かりません。彼の行動が理解できません!」
それは男性心理が分からないというよりも、自分の中にある触れたくない感情があるので、それを使って彼を理解することが出来ない場合もあるのです。

ほとんどはそこにネガティヴな感情が溜まっているのですが、そのネガティヴな感情を使って相手を理解するというよりは、相手の行動によってネガティヴな感情が刺激されてしまって、余計にその感情に触れることが出来ないという悪循環にハマっていくケースもあります。

その大きくなったネガティヴな感情を相手に投影してしまうので、さらに相手に執着をしてしまうのです。

「彼のことを放っておけない!」と思っているのは、
「誰か私のことをちゃんと見て!私のことを放っておかないで!!!」というあなたの心の声なのかもしれないのです。

ネガティヴな気持ちを増大させてない?

2つ目は、
相手をしてくれない、返事をしてくれない、大切にしてくれない彼を使って、あなたの中にある「誰にも認めてもらえない」という気持ちを大きくすることに利用してしまうのです。

私たちは自分の中にある無意識の想いを現実化してしまうことがあります。
「誰も私は認めてもらえない」その気持ちを現実化して証明する為には、「あなたが必死に彼のことを考えて想っているのに、その彼でさえも私のことを認めてくれない」という状況は強烈な証拠になるわけです。

このようなケースの場合は、
お母さんやお父さんが本命で、そのラスボスに立ち向かえないので、彼という中ボスに戦いを挑んでいることもあります。

お父さんでさえも私を認めてくれなかった!
お母さんでさえも私を愛してくれなかった!

とトラウマといってもいいほどの強烈な痛みがあるのです。
その痛みを癒していく為には、お母さんやお父さんの愛情を受け取ることですが「私のお父さん、お母さんにそんな愛情はない!」と思ってしまっていますからね。

確かにあなたが望んでいるような愛情を与えてくれなかったかもしれません。
それでもお父さんやお母さんを理解していくことで、受け取れる愛情にも気が付けるようになることがあります。

カウンセリングでは、
「彼のことはとりあえず放置で!お母さんとの関係を見ていきましょう!」と提案させていただくことがあります。

「彼のことを放っておいても大丈夫ですか!?」と不安になられる方も少なくありませんが、ラスボスと上手にクリアした後は、手のかかる彼など超簡単に思えてきます。

また、
自分が彼を助けてあげられなくても、私が自分のタイミングで自分の過去や親と向き合えたように、彼にもそのようなタイミングがきっとやってくると信頼出来るようになります。彼を手放す、執着を手放すということが「信頼」というエネルギーでいとも簡単にこなせるようになるのです。

認めてもらえない気持ちと向き合っていく

「私は誰にも認めてもらえない」
この気持ちが恋愛に影響するメカニズムについて触れてきました。

うまくいかない恋愛は「彼に愛してもらえない」のがツライかもしれません。

しかし、それ以上にあなたの心の強く刺激するのは「ほら!やっぱり私のことを見てくれる人はどこにもいない!頑張って愛しても、私のことは誰も認めてくれない!」という痛みかもしれません。

もし、
あなたの中にある「私は誰にも認めてもらえない」という痛みがある場合は彼のことをどうにかしようとする前に、自分の中にあるその気持ちをどうにかした方が近道かもしれません。

孤独のパンドラの箱

先ほども書きましたが
「私はこれまでも、これからもずっと孤独かもしれない」
という想い。

別の友達がいないわけでも、恋人がいなかったわけでもない。
家族とは今では普通に話すし、私は天涯孤独の寂しさを味わったわけではない。

と思われるかもしれません。

「誰にも認めてもらえない」という気持ちがあるからと言って、誰とも親密になれなかったわけではないと思います。

しかし、
「私は誰にも認めてもらえない!」という気持ちから、自分の心の中に決して開けることのできないパンドラの箱を作ってしまっていて、そのパンドラの箱がある以上「これ以上近づくな!危険!」という無意識のサインを出してしまうことがあるのです。

「これ以上近づくな!危険!」という無意識のサインがあると、どうしても孤独を感じてしまいます。周りに人がいない孤独ではなくて、周りに人がいるのに孤独を感じてしまうので、余計に誰も私を分かってくれないという想いが強くなってしまうこともあります。

このパンドラの箱の中には、あなたが一人でずっと耐えてきた寂しさや悲しみが詰まってます。
そのパンドラの箱に強烈な蓋をしてきたからこそ、なんとか社会で生き延びてこれたけど、そのパンドラの箱を開けてしまうともうダメになってしまう。その恐れがさらにパンドラの箱を厳重に心の中に隠していきます。

でも、パンドラの箱の中に希望が残されていたように、
あなたの心の中にあるパンドラの箱には「愛情」「優しさ」というギフトもしっかりあります。

それだけの痛みや寂しさを一人で抱えて耐えてきたのは、あなたの優しさや愛情が大きという証拠でもあるのですが、それを自分自身では信じることが出来なくなってしまいます。

優しさや愛情を小さく扱ってしまう。

「私は誰にも認めてもらえない」「私はこれまでも、これからも一人だ」

その想いを癒していくことは、あなたの中にある優しさや愛情を信頼して認めていくということでもあります。あなたは過去の経験から、「私の優しさではお母さんを助けてあげられなかった」「ありのままの私ではお父さんは可愛がってくれなかった」と自分の中にある優しさや愛情を無価値なものとして扱ってしまっているのです。

役に立たなかったと思い込んでいる自分の中にある優しさや愛情。
お父さんやお母さんのことは本当は好きなのに、その相手を目の前にすると自分の愛情や優しさの無価値感、役ただず感を感じてしまうので、相手を避けてしまうこともあります。

本当は好きだったお母さんやお父さんを嫌うことで相手を避けて、自分の中にある無価値感などのネガティヴな感情を感じないようにしているのです。

これはもしかしたら、
あなたが追いかけている彼にも言えることかもしれません。
本当はあなたのことが好きなのに避けてしまうのは、自分の中にあるネガティヴな感情が刺激されてしまうからかもしれないのです。

本当に好きな人を好きと言えない。
これは無意識に自分の幸せを遠ざけてしまうパターンになってしまうことがあります。

自分の価値を受け取っていく

彼が振り向いてくれないから孤独や無価値感を感じるのではなくて、
あなたがずっと心に抱えている孤独や無価値感がそのような状況を引き起こしているかもしれません。

元から抱えていた孤独や無価値感を癒していくことで、現実がガラッと変わっていくことがあります。
では、その孤独や無価値感をどう癒していくのか?という話ですが。

ほとんどの場合はパンドラの箱になってしまっているので、その箱を開けるのはめちゃくちゃ嫌なんですよね。開けてもいいことないしと思っていますし、どうしようもなかったから箱の中に閉じ込めているわけですからね。

カウンセリングでも、「どうにかこのパンドラの箱を開けないでうまくいく方法を〜!」と懇願されることがあるのですが、逆に言えば、それだけしんどいならパンドラの箱を早く処分した方がいいですよね。

自分の中にあるパンドラの箱を開けないままで、彼の心を開こうとしても無理があるかもしれません。彼も同じように「俺の中にあるパンドラの箱だけは開けてくれるな!」と思っている場合がほとんどですからね。

受け取っていく為にやれること

さてさて
孤独と無価値感を癒していくためにはどうしたらいいかですが、なかなか自分一人では触れたくないからパンドラの箱なわけです。カウンセリングの利用するのも一つの手です。

ただカウンセリングを利用するのも抵抗はもちろん出てくると思います。
「お金を使ってしか私は自分の気持ちを聞いてもらえない」という感じで。

これを否定的に捉えてしまうかもしれませんが、自動車で一般道を走行する前に自動車教習所で練習するように、カウンセリングという場で練習するという感覚で大丈夫だと思います。

自分でやっていくやり方としては「感謝の手紙」がいいと思います。

この感謝にも抵抗が出てくるかもしれません。
まずはやりやすい相手から感謝の手紙を書いてみてください。

実際に本人に出す必要はありません。

「誰も私のことを認めてくれないのに、なんで私が感謝しなきゃいけないの!?」という気持ちも出てくることもあります。

ここでの感謝は「相手の為に感謝しなさい!」という意味ではありません。

誰かの為に感謝するのではなくて、自分の為に感謝するのです。
少し利己的に聞こえるかもしれませんが、この感謝とは、自分に向けられている想いを受け取ることです。

「誰にも認めてもらえない」と思って、受け取れなかったあなたに向けられている想いを受け取っていくことです。

最初はやりやすい相手でかまいません。
いつも行くコンビニの店員、優しくしてくれた本屋さん、顔馴染みのカフェの店主、誰でも大丈夫です。

もちろんお母さん、お父さんにチャレンジしても大丈夫です。

何度も受け取っていく


ポイントは一回書いたら終わりではありません。
何度か時間を空けて同じ相手でも、浮かんでくる言葉が同じでも繰り返して欲しいのです。

「相手に感謝することはいっぱいあるでしょ!!」
と言いたいのではなくて、あなたはたくさん自分の価値を受け取っていいのです。

一回、お母さんに感謝の手紙を書きました!
またお母さんに手紙を書くのですが?一回やったから大丈夫です!

そのように言われる方も少なくありません。
これはある意味では、あなたが自分が受け取れるものを拒否しているとも分析できるのです。
簡単に言えば、幸せを遠ざけてしまうパターンにここでもハマってしまっている可能性があるのです。

感謝を通して自分の中にある「誰にも認めてもらえない」という痛みが癒されて幸せになることを、一回やったからもう大丈夫!と拒んでいるかもしれないのです。

毎日のように何度も何度も、長い感謝の手紙を書くのは、しんどいと思うので、そこまではしなくてもいいですが、定期的にテレビやスマートフォンの電源を切って、目の前の手紙と向き合う時間はとってみてください。

少しずつ今まで封印してきた悲しみを感じることができるようになるのと同時に、常日頃、緊張して疲れ果てていたのが、少しずつ緩んでリラックス出来るようになってきます。

その緩みこそ、
あなたの人生を変えてくれて、目の前の恋愛も変えていってくれます。

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