私たちはあえて不安や不満を作り出してしまうことがあります。
意識的にはそこには何のメリットもないように思ってしまいますが、深層心理ではメリットがあるのです。
不安や不満は、
喜びや楽しみに蓋をするという意味では、
強力なチカラを発揮してくれます。
もし
あなたが喜びや楽しみをタブーにしていたら、
不安や不満は強力な助っ人として必要になってしまうかもしれません。
今日は不安や不満を作り出してしまう心理について解説していきます。
不安を作り出してしまう具体例を紹介
例えば、
プリンさんは(もちろん偽名ですが)
いつも旦那さんに対して不平不満を口に出しています。
旦那さんといるときも、
眉間にシワを寄せて決して嬉しそうな態度を取ることはありません。
しかし、
プリンさんに話を聞いてみると、
旦那さんのために食事の準備をしたり、旦那の両親を大切にしたり、
その行動はとても相手を大切にしているようなものばかりです。
旦那さんに対する不平不満をゆっくりと聞いてから、
旦那さんのことをどう思うか尋ねてみると
さっきまでの不平不満のボルテージとは違って、
優しく穏やかに相手への愛情を語ってくれます。
不平不満から始まって、それが落ち着くと、
愛情を語るようになるプリンさんのパターンは繰り返されます。
不平不満の内容に中には、矛盾したものもたくさんありました。
例えば、
ある時は旦那が早く帰ってこないことに不満を持ったと思えば、
今度は旦那が早く帰ってきたことに不満を口にします。
その矛盾にプリンさんは、
全く気がついていないのです。
なぜ、そのようなことが起こるのか?
プリンさんの幼少期の体験にこの原因はありました。
プリンさんの小さい頃に、
父親が転職のために資格を取ることになりました。
その資格は大変難しいもので、
資格取得まで4年の月日がかかりました。
その資格の勉強のための4年間は 、
テレビもつけてはいけない、家で騒いでもいけない4年間でした。
プリンさんのお父さんが、
物音に敏感だった為に静かに暮らすことを求められました。
これは小さい子供にとっては、かなり厳しい状況ですよね。
箸が転げても笑いたくなる年頃のプリンさんは、
自分のテンションが上がらないように努力しなければいけません。
嬉しいことや楽しいことがあると、
ついついテンションが上がって騒がしくして、怒られてしまうからです。
そこで、
自分の感情を無意識にコントロールする為に身につけた行動が、不安や不満を自分の中で作り出すことでした。
喜びや楽しい感情に強烈な蓋をするという意味では、
不安や不満はすごく役に立ってくれますからね。
そうやって自分の感情をコントロールして、
静かにしていると父親から褒められるという体験を繰り返します。
プリンさんは、その時の体験から自分の感情をコントロールすることで、相手に褒められること、その為には不安や不満の力が役に立つと学習しました。
そして、
喜びや楽しみを抑圧してしまうパターンも身に付いてしまったのです。
子供の頃にパターンは大人になってからも
子供の頃に身に付いてパターンは大人になってもその習慣は抜けません。
プリンさんは、
相手のために我慢するほど、
相手に褒められることを学習していますから、
【相手のためどれだけ私が我慢しているのか?】
それが一つの愛情表現になってしまいます。
しかし、
不満や不安を持つことは、
プリンさんにとってもそれ自体は心地よい行動ではありませんし、
そのようなメカニズムが働いていることも分からないので、
「旦那さんともっと仲良くしたい」
「ついつい不平不満を感じてしまうのをどうにかしたい」
とカウンセリングを受けにきてくれました。
このままではプリンさんにとっても、
旦那さんにとっても良くはありません。
ストレスな環境に耐えることで、
父親への愛情を示したプリンさんの幼少期の頃の行動を、
旦那さんにも当てはめてしまいますからね。
素直に喜びや感動を表現することも苦手なままです。
それを禁止することで、
父親に褒められたという体験を学習してますからね。
ネガティヴな感情で、自分の気持ちを抑圧した後じゃないと
自分の喜びや感動を表現してはいけない。
そのようなスイッチも入っています。
大切な人の前でこそ、
『喜んではいけない!』が作動してしまうのは、しんどいですからね。
身に付いたパターンを変えるために
プリンさんに素直になりましょう!
というアドバイスしても
頭では分かっているのに心では飲み込めません。
素直にならないことで、
褒められた経験があるからですよね。
まずは、
自分がそのようなメカニズムから、
旦那への不平不満を探してしまっていることを
自覚するようにしてもらいました。
本当に旦那への不満があるのか?
それともあえて作り出そうとしているのか?
厳格にチェックすることは、
難しいかもしれませんがそれを習慣的に行うようにしてもらいます。
あえて不満を作り出すことによって、
いい結果が得られないと思ったと時は、
旦那さんへの行動を変えてもらうようにします。
感謝の言葉を伝えたり、して欲しいことを伝えたり、
出来る範囲でいいので、チャレンジしてもらいます。
①自分の無意識の選択に気づく
②行動を変えてみる。
それを繰り返していくことで、
プリンさんは少しずつ変わっていきました。
カウンセリングでは、
父親の愛情を受け取り直すというセッションも行っていきました。
まずは子供の頃の体験を振り返ってみる
もしあなたも不平不満をあえて作り出しているなら、
「それが何をきっかけに行ってしまっているのか?」
振り返ってみてください。
一見矛盾するような行動も発言も、
子供の頃の体験を通して見ていくと
どこか府に落ちることがあるかもしれません。
過去のパターンを、大人になっても繰り返してしまいます。
まずは、そのことに気が付くだけでも
行動を変えていくことが出来ます。
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