今回カウンセラーに向けた講座をするにあたって、これまでのカウンセラー人生を振り返った。
気が付けば今年でちょうど人生の半分を「カウンセラーとは?」「カウンセリングとは?」を問い続けて生きてきた。
今回はカウンセリングサービスを卒業し独立した一歩目の講座として、自分のこれまでの歴史を整理することができた。
講座は同じテーマを少し角度を変えて何度も話すことにした。
それが単なる繰り返しではなくて、ミルクレープのように層を作って、何度も重なった層が味わいと旨みを引き出してくれるようにしたい。
ミルクレープとは、フランス語で「千枚のクレープ」という意味だ。
カウンセラーを志して歩いてきた道のりも、まさにミルクレープだった。「カウンセリングとは?」「心を支えるとは?」「あれでよかったのか?」と同じ質問を自分にずっと投げかけてきた。
同じ質問をすることは、スタート地点から何も変わっていないことではない。立っている場所は同じでも、重なっていくものがある。
カウンセラーとして駆け出しの頃は、その重なりがあることに気付かない。だから、焦るし、自己価値を見失ってしまう。
自らのカウンセラーとしての適性を悩んでしまう。
でも、大丈夫。少しずつクレープの層が重なって厚みを増すように、何度も同じ質問を繰り返してカウンセラーとしての土台が積み重なっていく。
土台が出来ていくと、それまでよりも遠くを見渡せるようになる。見えてくる景色が少しずつ変わっていく。
椅子の上に立つことで、それまで壁に隠れて見なかった向こう側が見える。それと同じように今まで見えなかった景色が見えてくる。
カウンセリングでやっていることもミルクレープに似ている。
同じ質問を繰り返して、同じ話を何度もする。「また、その話か?」と思うかもしれないけど、少しずつクレープが重なっていく。
今までとは違う視点から、同じテーマの話ができるようになる。息苦しくて話すことも嫌だった話を、水面から顔を出すように息をしっかりと吸って話せるようになることがある。
問題という波に溺れていたのが、何度も何度も土台を作っていくことで顔を出せるようになる。
参加者のメッセージ一つ一つに目を通していく。
カウンセラーへの想いを支えたいし、実際にカウンセリングで大切な技術も伝えていきたい。想いが技術を支えてくれるし、技術が想いを支えてくれる。
今回、この講座を開催することで自分のミルクレープを振り返ることができた。
参加してくれる方々に感謝を伝えたい。
そして、それぞれのミルクレープ作りに役に立てればと思う。
メッセージのおかげで、自分の視点だけではなくて、それ以外の視点からも振り返ることができた。しっかりと還元したい。
「カウンセラーに向けた講座をやりなよ!」とパスを出してくれた妻にも感謝したい。
ミルクレープはクレープをただ重ねていくのではない。
クリームやチョコレート、フルーツも、時には自分に思いがけないものも積み重なっていく。
講座まであと少し。
クレープを焼いて、重ねていこう。
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