白か黒かでは決められないこと
人生で正解を求めることが必ずしも、幸せにつながるとは限らないようです。
『白』でもあり、『黒』でもあり、『グレー』でもある。そんな矛盾した気持ちを抱えても、それを許せる力がポイントになってくることもあります。
例えば恋愛において、
『私のこと好きなの？もう付き合って5年になるんだよ！何で結婚の話をしたら、いつも適当に誤魔化すの？好きじゃないの？結婚する気ないの？』
と相手にはっきりとした正解を求めても、
彼の中には、
あなたを好きな気持ち、結婚に対する不安、仕事に集中したい想い、たくさんの要素がありますから、
その中のどれか一つを導き出そうとすると、
彼はあなたのことが好きなのに、
別れを選んでしまうという答えを出してしまうこともあります。
『白』でもない、『黒』でもない、
彼が答えをはっきりと出せない部分に、彼を理解するポイントがあるのですが、その矛盾した気持ちを受け入れることが出来ないと、思いも寄らぬ結果になってしまいます。
もしかしたら、あなたの中に
『彼のことは好きだけど、愛しているけど、このままの関係では私には耐えられない。でも、私には答えを出すことが出来ない。だって彼は私にとって特別な人、彼にとって私は特別じゃないの？好きなのにつらい、つらいのに離れられない』
『白』でもない『黒』でもない、想いがあるかもしれません。
自分の中に答えを見つけ出せないから、彼の中に答えを求めてしまうこともあります。
僕は矛盾した想いの中に愛の美しさを感じることがあります。人間らしさと言ってもいいのかもしれません。
全てのことに『白』か『黒』できっちり判断することが出来たら、それはロボットのような気もしてしまいます。
愛しているけど、さようなら。
好きだけど、腹が立つ。
甘えたいけど、素直になれない。
頼りたいけど、怖い。
信じたいけど、傷付きたくない。
そんな『白』か『黒』かはっきりと決めることが出来ない矛盾した気持ちの中に、あなたらしさやあなたの愛があるように思うのです。
矛盾した気持ちを認めると
例えばお母さんとの関係で悩まれている方がいるかもしれません。
過干渉だったり、口うるさかったり、感情的だったり、、、
『もっとお母さんがこうしてくれたなら、、、』
という怒りや悲しみを抱えているかもしれません。
その過去の悲しみや怒りを癒すためには、
『母親に感謝して許すことがいい！』本で読んでもなかなか実行出来ない場合があります。
もちろん、ここまで育ててくれたお母さんですから、
感謝の気持ちがないワケではありません。
絶対的に嫌いというワケでもありません。
あなたは、子どもの時はお母さんの役に立とうと頑張ってきたかもしれません。
お母さんが楽に生きられるように、お父さんに対して『お母さんをもっと大切にして！』と愛ゆえに怒っていたかもしれません。
感謝したい気持ちがあるけど素直になれない。
『お母さんに幸せになって欲しい』という想いもあるけど、『もっと私を幸せにして欲しかった』という想いもある。
そんな『白』でも、『黒』でも
はっきり決めることが出来ない気持ちがあります。
その気持ちに答えは出さなくてもいいと思います。
昨日は母親に『ありがとう』という気持ちになれても、今日はやっぱり怒りが湧いてきた。
そんな矛盾があっても、
それを責めなくていいんです。
『白』か『黒』かはっきりと決めることは、
あなたの悲しみや怒り、感謝と愛、
そのどちらかに蓋をして抑圧してしまうことではありません。
それはまるで自己犠牲のように感じられることもあります。
自分の感情に蓋をして抑圧してしまうと、
『頑張って愛する』という表現になるかもしれませんし、『愛を抑えて憎み続ける』ということになるかもしれません。
それはあなたを幸せにする道ではないようです。
まずは、矛盾した想いを抱える自分自身を許してくださいね。
人間は完璧ではありません。
完璧ではないから、矛盾した想いを抱えるし、
矛盾した想いを抱えるから、周りの人の矛盾も受け止めることが出来ます。
そのままの気持ちを認めることから
ありのままの矛盾した気持ち
それをそのままの受け入れることで、
見えてくるものがあります。
好きだけど、嫌い。
好きだから、嫌い！
嫌いなのに、好き！
嫌いなのに、忘れられない。
めんどくさいのに、放っておけない。
助けたいのに、出来ない。
愛したいのに、近づけない。
近づきたいけど、勇気が出ない。
一人でいたいけど、寂しい。
愛して欲しいのに、抵抗してしまう。
そんな気持ちに、焦って答えを出そうとしなくてもいいのです。
社会のルールや、世間体というルールで、
自分の気持ちに『白』『黒』付ける必要はありません。
矛盾した両方の気持ちを抱えていいんです。
あなたの両手にそれぞれの気持ちを乗せてみてください。
自分の心を縛り付けて無理矢理一つの答えにしなくていいんです。
自分の心を決めるということは、
そのどちらかの手に乗せた気持ちを握りしめて見えなくすることではありません。
その両方の気持ちが、あなたの心の声なのですから。
その両手に乗せた矛盾した想いを見つめていると、
今までは聴こえてこなかった心の声も聞こえてきます。
心の中に矛盾する二つの想い、葛藤がある時は、
実はまだあなたの本音（表面的な２つの声で聞こえなくなっていた声）があります。
その本音を受け止めることが出来ると、
あなたの矛盾した想いも、
実は同じあなたの心の声を２つの側面から見ているだけだったということに気付きます。
例えば
全然振り向いてくれない彼を追いかけ続けて、
『どんなに苦労しても、傷付けられても、彼をすべての愛で包んであげたい！』
『もうこれ以上ボロボロになるのなら、彼の前からそっと消えてしまいたい』
そんな２つの想いを両手に乗せて見つめてみると、
『私男性に愛されるのが怖かった』
『傷付けられることで、男性からの愛を受け取らないようにしてた』
２つの矛盾した想いで葛藤して、
聞こえてなかった心の本音が聴こえてきます。
相手も葛藤して見えなくなった本音がある
自分の中に今まで見えてこなかった心の本音を見つける体験をしていくと、
相手の中にも矛盾した想いで見えなくなってしまった心の本音があることに気付けいけます。
『君のことを好きじゃないワケではないんだよ。ただ結婚についてはまだ後にしないか？』
そんな矛盾したセリフの中にも、
彼自身が見失なっている心の本音があるかもしれません。
自分の中に矛盾した想いがあると許可を出せていると、相手の中にも矛盾した想いがあった時に、余裕を持つことが出来ます。
必要以上に不安で自分を追い詰める必要はありません。
自分を自分で不安を使って追い込まなくてもいいんです。
家族との関係でも、
もしかしたら、母親の中にも、父親の中にも、
矛盾した気持ちがあって、その２つの間で葛藤し、
上手く表現出来なかった想いや、本人も分からなくなってしまった想いがあるのかな？
そう思えることで、心に余裕が出来ます。
『白』か『黒』で決めれない想いがあるから、
そこに隠れている本音を見つけることができます。
結論を急ぐことよりも、
正解を求めることよりも
その声を拾い集めてみてください。
心に「ゆとり」と「愛」をもたらしてください。
目の前の現実もまた変わって見えてきますよ。
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