恋愛において「好き」と「助けたい」がごちゃ混ぜになることは多々あります。
「好きだから助けたい！」ってのは当たり前の感覚でもありますが、「助けたい！」って思うのは実は「自分が助けて欲しいからじゃない！？」というややこしい見方をカウンセリングではすることがあります。
本当は自分がしんどくて、辛くて、困っているけど、誰かを助けようとしてしまいます。これを「助けたい症候群」なんて言ったりするのですが、とにかく自分が辛いのに、誰かを助けようとして、それを「愛」と思い込んでしまいます。
今回のメインテーマでもある「既婚者との恋愛」では、この「助けたい症候群」が発動しやすいんですよね。
罪悪感を薄めるために
・本当は離婚したいけど、妻が離婚してくれない！
・もう愛は冷めているけど、子供の為に夫と離婚できない！
既婚者の相手からこう言われると、相手が結婚という檻に閉じ込められている気がします。「相手を囚われた檻から救い出すために！」と自分も辛いのに、相手の為に我慢するような恋愛を繰り広げてしまいます。
不倫や浮気は罪悪感を抱えやすいんですよね。「知られてはいけない恋愛をしている」と。その罪悪感を薄めるために「相手が辛いから助けてあげないと！」と一種の正義感のようなものを強くするわけです。
罪悪感を隠すために正当性が必要になってくるんですよね。
相手の結婚生活が破綻していて苦しいものかもしれません。しかし、罪悪感や無価値感を感じないために、相手が被害者であることを強調しすぎても他に歪みが生まれていきます。
相手の寂しさは本当にあるの？
もしかしたら相手は本気ではないこともあって、結婚生活が上手くいっていない被害者的なポジションにいることで、浮気や不倫といった関係をキープしようとしていることがあります。
本当は妻と（夫と）上手くいっているけど、それを隠すことによって、その関係を維持しているわけですね。
周りから見れば「それは相手が都合のいいように遊んでいるだけ」と思えても、自分では気が付けません。自分しか分からない相手の寂しさや傷があるように思えるからです。
もちろん、当人同士しか分からない相手の寂しさや傷があるかもしれません。
でも、ちょっとだけツッコミを入れさせてもらうと、相手が持っている寂しさや傷は自分の投影じゃない？という見方もあるわけです。
自分が抱えている寂しさや傷を、相手も同じように抱えているように思い込んでいる可能性もあるのです。
実は閉じ込められているのは自分！？
相手を檻から救い出すために辛い状況の恋愛を頑張っているのは、実は自分の方が檻に閉じ込められているんじゃない？ということもあるわけです。
それはナンバー２というポジションにいることで幸せを遠ざけているかもしれないし、自分と両親との関係から自分を制限するパターンから抜け出せないままでいるかもしれません。
また、自分のセクシャリティを抑圧するために不倫や浮気という檻が必要なのかもしれません。
とにかく何らかの檻に閉じ込められているのは、実は自分の方だったということがあるのです。
助けたい症候群の恋愛がつらいのは？
助けたい症候群の恋愛が辛いのは、そこに犠牲があるからです。
自分を傷付けて、我慢させて、相手を幸せにしようとするからなんですよね。
ここがややこしいところなのですが、自分がしんどい想いをするほど相手の役に立っているように誤解してしまいます。しんどいんですけどね。
それは無価値感からの誤解なんですね。既婚者との恋愛が良くないと思っていても、相手と離れることは、助けられなくなることだと思い込んでいることがあります。
自分の力のなさ、役に立たない気持ち、つまり無価値感が刺激されます。相手を助けられなくなると、無価値感を強烈に感じてしまうので、別れることができません。
まずは自分に無価値感を癒していくことです。「誰の役にも立ってない」その自己イメージにある根幹を癒していくことです。
やめたいのに、やめられない既婚者との恋愛を手放していくためには、自らの無価値感を癒して手放していくことが課題になります。
まずは自分を癒していくこと
カウンセリングでも、既婚者との恋愛について相談を受けることはたくさんあります。
そのカウンセリングの中で、自分の抱えていた寂しさや傷を癒していくことで、相手の見え方がガラッと変わってくることがあります。
それは自分の寂しさや傷を相手に投影しなくなること、自分が閉じ込められていた檻から抜け出して「助けたい症候群」が癒えてくるからです。
もちろん自分を癒してパターンから抜け出しても、既婚者の相手が好きなこともあります。人として魅力的な部分に惹かれていることもありますからね。
それでも自分を我慢させたり、傷付けたりする関係性を手放していけます。
桑野量の予約状況やカウンセリングのご利用は以下のボタンよりご確認ください。
