『男性のセクシャリティってどうなの？』『男性はどんな成長プロセスがあるの？』と男性のセクシャリティについて、女性から聞かれるようになりました。
なかなか結婚に踏み切れないメンズ達の男性心理を解説していても、
『えっ！意味分かんない。好きなら結婚すればいいじゃん』
という反応が返ってきます。
確かにおっしゃる通りなのですが、
男性の中には「故郷に錦を飾ってから〜」「一人前の男になってから〜」「君を守り抜ける力を手に入れてから〜」と女性には理解出来ない部分で葛藤があるのです。
ここらへんを解説しても、
女性にとっては「今が幸せだからいいじゃん。今の彼が好きなんだから！なんで！？意味わからん！！」って感じなんですよね。
今日はその辺について説明していきますが、
女性の皆さま最後まで読んでいただいても、話は分かるけど感覚的にはサッパリ分からないかもしれません。
なので、
チラっと読んで、『ふ〜ん』と思ってくださいね。
男性のセクシャリティ （男性性）について見ていきましょう。
そもそも男性性って！？
男性性とは、「男らしい」と表現されるようなもので、行動力、決断力、リーダーシップ、理論的思考力、与えること。
結婚に踏み切れない男性に対して、
『男らしくない、、、』と感じてしまうのは男性性のエネルギーを彼が隠してしまっているからですね。
リーダーシップ、決断力、行動力とあるように、
男性性は自分で決めて導いていく性質があるのですが、そこにプレッシャーや過去の傷の痛みがあると、
『俺のことは当てにしないでくれよ〜』というオーラを醸し出します。
社会的には仕事をバリバリしていて、高収入であったり、普段の口調や振る舞いが男らしく見えていたりもするので、女性からすると、『彼が自信のないようなタイプに思えなかった！』とびっくりされるかもしれません。
直接的な表現ではなくても、
彼が社会や周りの人々に見せる顔とは違う側面をあなたに見せていることは、ある意味信頼している証拠や親密感があるということです。
しかし、
ここで陥りがちな罠（トラップ）として、
《お母さんと子供》のような関係になってしまうことがあります。
仲はいいんだけど、結婚やロマンスから遠ざかってしまう。
ワガママな彼とそれを受け入れる私という関係になってしまいます。
これは男性性を抑圧したまま、親密感や安心感を感じて女性の側にいることが出来ますからね。
また、逆に、《娘と父親》という関係になることもあります。父性という要素では彼に男性性を感じることは出来ますが、これも結婚やロマンスという関係からは遠ざかってしまいますからね。
何故、男性性を抑圧したり隠してしまうのか？
それは過去に傷付いた痛みがあったり、正しい男性性を受け入れることが出来ていないのかもしれません。
男性性は、パワー（それは肉体的にも）直結していますから、それが暴力的なイメージと結びついてしまうこともあります。
思春期以降、肉体的にもたくましくなっていくのですが、ありあまるパワーのコントロールの仕方を学ぶステージでもあります。
そこで理性や決断力などの要素が育まれていきます。
誰かを守れるようなパワーは、同時に誰かを傷付けててしまうのでは？という感覚になってしまうこともあるのです。
その部分で葛藤してしまうのは、
『どれだけ女性を大切に守りたいの！？』という心の優しさの証拠でもありますが、
表面的には、男性性への自信のなさに見えてしまいます。
男性性の試練と資格
男性性の成長メカニズムは、映画や物語の世界を見ていくと分かりやすいかもしれません。
ある日、魔法学校からの招待状が届いたり（ハリー・ポッター）、蜘蛛に噛まれて手から糸を出せるようになったり（スパイダーマン）、フォースの力に目覚めて宇宙を救う旅に出たり（スターウォーズ）、古典的なものであれば伝説の剣を抜いてしまったり、
子供時代の憧れとして、想い描いたヒーローやカリスマ（力をもって英雄になること）になることがスタートします。
（いわゆる思春期に大人の階段を登ることです。）
その力のコントロールを学ぶなかで、大人になっていくのですが、その中で悪との戦いに負けてしまったり、大切な人を失ってしまったり、自分の力に対しての疑問や自信のなさに直面してしまいます。
映画や物語では、
主人公が流浪の旅に出たり、引きこもってしまったり、『俺は誰も救えない。ヒーローになんかなれない』と自分の力を否定します。
『誰かを守れる自分はOK』という、
ある試練を乗り越えた者だけが、自分を受け入れてもらえる資格を手に出来るという感覚があるんですよね。
この部分が現実世界では、
『故郷に錦を飾ってから〜』『もっと仕事が落ち着いてから〜』というニュアンスになります。
主人公が流浪の旅や引きこもってしまうのも、
急に彼がハードワークになったり、連絡が取れなくなっていくのと似ていますよね。
現代においては、地球を攻めてくる悪の組織なんてものはないですが、
じゃあ、男性が何に負けて挫折や自信の無さを感じているかというと、
『母親を幸せに出来なかった〜』『過去の失恋の傷』『社会的な成功』だったりします。
映画や物語では、
自分の弱さや情けなさ、過去と向き合うことで、
再びヒーローして立ち上がります。
流浪の旅も自分と向き合う大切な時間なのです。
※この一連の流れを意識して映画を観てみるのも面白いですよ。男性を主人公にしたヒーローモノは、全てと言っていいくらい、この流れがあります。
つまり、男性は喪失と再生の物語を通して自らの男性性を獲得していきます。
《自分の中の怖れや弱さに入り込めるほどの強さを持つ》と言われたりしますが、何かを乗り越えることで一人前の男性としての自覚が育っていきます。
成人の儀式などで、
バンジージャンプを跳んだり、獲物を一人で狩をするなどのイニシエーション（通過儀礼）がある国もありますが、これも試練と資格を表していますよね。
女性に出来ること
傷付いた男性性を癒すことが出来るのは、女性の持つ愛や包容力であります。
映画のヒロインのように、彼の才能を信じて応援してあげて、時には疲れた彼を優しく包み込む。
それが男性性を癒すことが出来る女性性の力ですよね。
では、具体的に男性に対して出来ることは？
①そっとしとく。
映画の主人公が流浪の旅に出たり、引きこもるのは、自分の弱さや痛みと向き合うために必要なステップでもあるのです。
それを無理矢理叩き起こすのは、彼が痛みを抱えたままになってしまうので、結婚やお付き合いという一時的なゴールは迎えることが出来るかもしれませんが、ほころびが出てきます。
結婚やお付き合いがゴールではなく、
その関係を幸せに維持するために、今必要な期間と割り切って、彼に時間と休息を与えてあげてください。
「信頼して待つ」というのも深い愛情ですからね。
彼が男性性に自信をなくしている度合いだけ、あなたの男性性の側面が強くなってしまうことがあります。
理論的に彼を説得しようとしたり、彼以上の行動力や決断力を発揮してしまう女性もいます。
それ以上にあなたの女性性を豊かにすることを意識してみてください。
女性性には育むこと、包容力、やわらかさなどの要素があります。
それを意識してみてください。
②応援する！
これは①に似た内容ですが、
彼は傷付いた男性性を抱えて、自分の力や才能を信じられなくなっています。
彼自身、将来ヴィジョンが見えなくなってしまっています。
それをあなたが見て、彼に伝えてあげてください。
男性がセクシャリティ を抑圧してしまう背景には、『誰かを傷付けてしまうんじゃないか？』『誰も守ることができなかった』と思い込んでしまった過去にあります。
これは、どれだけ『誰かを守りたいか？』の裏返しであります。
その彼の心の奥底にある想いを受け止めてあげてください。
彼が自分でも信じられなくなってしまった想いを、あなたが信じてヴィジョンを見てあげてください。
男性が喪失（挫折）と再生の物語に直面する時に、
いつも『誰かのために』という想いがあります。
男性は応援されることで、自分の痛みや弱さに入り込める強さを手にすることができます。
③手放す
①②とはまったく逆のアプローチですが、あなたの想いを伝え、彼をサポートして、
それでも彼がまだ引きこもってしまうようなら、手放すタイミングなのかもしれません。
《手放すほど、彼を愛しているか》
という言葉があります。
《彼の態度や行動、言葉を使って（理由にして）自分を傷付けることをやめる》という意味でもあります。
もし、彼に愛を捧げて、それでもしんどいようでしたら、彼から離れていくのも手だと思います。
あなたの心を自由にすることが、彼の心を自由にすることに繋がりますから。
もし離れたら彼が追いかけてくるかもしれませんし、それ以来音信がないかもしれません。
しかし、それはあなたに選択出来ることではなく、彼にしか決めることが出来ません。
あなたが離れていくことが
彼が自分の弱さや情けなさと向き合い成長するきっかけになるかもしれません。
その機会を与えてあげることも、
彼を愛することではないでしょうか？
結局、彼の気持ちを決めることは、出来ません。
あなたに出来ることは、あなたの気持ちと行動を選んでいくことです。
喪失と再生を繰り返し磨かれていく
男性のセクシャリティは、
この喪失と再生の物語を繰り返していくことで、成長していきます。
何度も苦難に出会ったり、葛藤を乗り越えることで、
自身のパワー（男性性）の使い方を学んで磨いていきます。
いろんな経験をされた男性に
「余裕がある男性はカッコイイ」と感じるのも、この男性性が磨かれているからでしょうね。
自分の力（男性性）をいつも120%に表現するだけではなく、必要に応じてきちんとコントロール出来ていることに対して魅力を感じるのです。
喪失と再生の物語を繰り返すたびに、
男性は輝いていきます。
今は、傷ついて、自信をなくしてしまっているかもしれませんが、そこから向き合い乗り越えてきた彼はますます魅力的になっていると思います。
彼の自信のなさに出会った時に、
『男らしくない』と感じてしまうかもしれません。
しかし、別の側面から見れば、
彼はボロボロになるまで、何かを頑張っていたり、
何か大切にしたい想いがあるということでもあります。
そもそも喪失（挫折）してしまう背景には、
高い目標や夢に向かってチャレンジしたからですよね。
それを受容して包み込むことが出来れば、彼の再生の物語に手助け出来るかもしれません。
今の彼と向き合おうとして、
彼がなかなか向き合ってくれない時、
視点をちょっとズラして、
彼の未来や彼の過去に焦点を当ててみてください。
そこから見えてくるものがあります。
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