コップからこぼれ落ちない表面張力のようなもので、
感情も心という器をいっぱいいっぱいに満たしてもまだそこから溢れでないように頑張ってしまうことがあります。
我慢強い人ほど、緊張感という力でこぼれ落ちそうになる悲しみや寂しさ、怒りをこぼさないように頑張って疲れ果ててしまいます。
ずっとこぼれ落ちないように緊張しているので疲れてしまいますし、疲れているので楽しみに幸せのようなポジティヴな感情を感じにくくなってしまいます。
それほど緊張感というのは人を疲弊させますし、自分でも気づかないくらい緊張しているのです。
例えば、明日が大学試験の日だとしますよね。その前の日に大好きなディズニーランドに誘われても思いっきり遊べないですよね。
また、我慢強い人ほど、自分がとても我慢していることに気が付けません。我慢していることに気が付けても、もっと他の人は我慢していると自分の我慢を過小評価しています。
「これくらいのことでは泣いてはいけない」と。
自分では大丈夫だと思っていても、体や人間関係に影響が出てきます。
悪夢をみる、寝付けない、慢性的に気分が落ち込みやすくなるなどのこともあるかもしれません。
カウンセリングでそのような方のお話を聞いていくと、少しずつ感情を感じられるようになるのですが、今までずっと我慢してきたのにも関わらずちょっとの感情に触れるだけそこからまた我慢を始めてしまう人がいます。
コップからこぼれ落ちない表面張力でギリギリ保っている部分の水だけを取り除くように、心という器からこぼれ落ちそうになる部分の感情を出すだけです。
でも、それではすぐにまた溢れ出そうになるは分かりますよね。
コップの中に入っている水ごと捨ててしまうように、心の器に入っている感情をごっそりと吐き出した方がいいのです。
しかし、今までずっと感情を吐き出すことを我慢していたので、ちょっと感情を感じるだけでも、その人には大きな出来事なのです。「もうこんなにも泣いてしまった!」と思えます。
でも、それは氷山の一角なのです。
そこからもっと感情の癒しを進めていくには、意識よりも感覚的な「緩み」を大切にした方がうまくいきます。
思考や意識の力と使うと、どうしても頭も心も緊張状態になってしまいます。感情を癒そうと心理学などの記事を読んでも、逆に疲れてしまったと感じる方も少なくありません。
例えば人とのつながりが心を癒すと言われていますが、相手や周りの人に緊張を感じていたら、癒されるよりも疲労の方を感じますよね。それは緊張という状態がどうしても思考や意識を強くさせてしまうからです。
「緩む」とは、ある意味で簡単に説明してしまうと「何も考えないこと」「何もしないこと」です。緊張状態からの解放であり、思考や意識からの解放です。
瞑想や運動なども、未来や過去のことを「考えない」で、今、現在に集中することで少しずつ気持ちが緩みます。五感を刺激することも思考や意識から解放させてくれます。
山に登って新鮮な空気を吸ったり、ライブに行ったり、美味しいご飯を食べたり、暖かいミルクを飲んだり、温泉に行ったり、マッサージを受けたり
その場でしか感じられない感覚を感じていくことで、緊張から解放されていきます。
そして、その「緩み」が心の中に溜まった感情を吐き出させるきっかけになります。
心が緩むとなんだか分からないけど涙が出てきてしまう、些細なことでも泣いてしまうようになった、ということが起き始めます。
頑張り屋さんほど、自分の感情を頑張って癒そうとしてしまいます。
それは悪いことではありませんが、どうしても緊張が強くなってしまって緩めないのです。
感情を癒していくことは肩の力を抜くくらいでちょうどいいのです。
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