コラム

愛の循環の物語 〜一杯のハーブティ〜

私達は愛されたように愛して、愛してきたように愛されます。

僕の好きな話で、夫婦の物語があります。

ある奥様が旦那さんとの会話がないことに、悩んでらっしゃいました。

子育てを終えて、子供達は成人して家を出ていき、夫婦2人の生活を送ってました。

旦那が仕事から帰って来ても、特に会話が始まることはありません。

『会社はどうでしたか?』

『ああ』

いつもそんな感じ。

その旦那さんは昔気質の寡黙な男性だったのでしょうね。

子供が居た時は、家の中も賑やかで、夫婦の会話も子供を通してありました。

でも、2人っきりとなると、お互いの照れなのでしょうか?会話が途切れ途切れになってしまいます。

奥様もご自身が口下手であることを自覚されていたようで、会話が少ないことを旦那さんに怒ることもなかったようです。

ただ、少しの寂しさを感じてました。

ある日、奥様は思い立ち、食事が終わった後に旦那さんにハーブティを出すようにしました。

今まで食事が終われば、そのままお風呂へと向かっていた旦那さんでしたが、ハーブティを黙ってゆっくり飲みようになりました。

特別会話が増えたわけではありません。

ただ、ちょっと2人で、一緒のテーブルに座って、一緒に過ごす時間が増えただけ。

黙ってハーブティを飲む旦那さん。

奥様も黙ってその時を過ごしてました。

奥様には、それだけでも十分でした。

それからしばらくして、奥様の父親が亡くなります。

母親は幼少の頃に亡くなったので、祖母の手を借りながら、男手1人で育ててくれた父親でした。

皆さんも経験があるかもしれませんが、身内が亡くなった時は葬儀などの準備に慌ただしくて、涙を流す間もなく時が過ぎていくことがあります。

突然のことで、気持ちの整理もつかないですし、『こんな時だからこそ、ちゃんとしなきゃ』そうやって気を引き締めてしまいます。

奥様もそうやって、葬儀やいろいろな手続きに追われて、感情を感じる余裕もありませんでした。 泣くこともなかったそうです。

しばらくして父親が亡くなってから、ひと段落しました。

奥様は、何をするでもなく、ぼっーと座っていたそうです。

目の前に取り掛かるものがある時は、それに集中して気を紛らわせられるのですが、何もなくなった途端に、どうしていいか分からないんですよね。

ただ、ぼっーと座っていたそうです。

そこへ、旦那さんが、『これで淹れ方よかったかな?』とハーブティを出してくれたそうです。

その時に、奥様の目から涙がポロポロと溢れてきたそうです。

今まで気を張って保ち続けた亡くなった父親への想いが溢れてきたのです。

今まで奥様が何も言わずに出し続けていたハーブティを旦那さんは何も言わずに飲んでました。

ただ、2人の間には、それが特別なもので、決して「ありがとう」とは口に出して言わないけど、旦那さんには何か感じるものがあったのでしょうね。

不器用だけど、そこには愛の循環があったのです。

私達は愛されたように愛して、愛してきたように、愛されていきます。

時に見えなくなってしまうこともあります。

だけど、愛はきっと、循環していくのでしょう。

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