弱さを見せても上手くいかない問題がありまして、今日はその問題に踏み込んでいきます。
「弱さを見せましょう!」「ダメな部分を出しましょう!」とSNSや本に書いてあったけど、実行したら何も上手くいかない!
そんな相談を寄せられることがあります。
似たような相談に「愛しても上手くいきません!」があります。
「弱さを見せること」「愛すること」それ自体が悪いわけではありません。
でも、「その目的が何なのか?」それによって効果や結果が変わってきます。
深層心理の目的が違うかも
「弱さを見せること」「愛すること」は、例えば「日本語を話すこと」と同じなんですよね。ただの手段というか、行動というか。
日本語を話さなければ愛情が伝わらない相手だったら「日本語を話しましょう!」というのは、大前提なんですよね。
でも、「じゃあ、その日本語で何を話すのか?」は大切ですよね。相手を攻撃する為に日本語を話しても上手くいきません。
「弱さを見せること」も同じです。
「何を目的にするのか?」もちろんネガティヴな目的を持っている意識はないと思います。でも、深層心理はちょっと違うかもしれません、
弱さを見せたのに上手くいかない時は、大きく分けて2つあります。
相手をコントロールしたい時
ネガティヴな感情や状態を使って相手をコントロールしようとする時です。
いくら自分の弱さやダメさを出しても上手くいきません。寂しさや不安を伝えても受け入れてもらえない感覚がします。
上手くいかないから過剰に弱さを強調したり、何度も何度もネガティヴな感情を伝えたりして、相手との関係を悪くする原因にもなります。
弱さを見せること、自分の気持ちを伝えることは、相手に「信頼」を伝えることでもあります。でも、コントロールは「信頼」とは全く違うエネルギーですよね。
コントロールはニーズとして相手に伝わっていきます。
「私はこんなにキツイから、あなたが〇〇してよ!」と。
弱さを見せることで、交渉しているわけです。一度や二度は相手もそのニーズに応えてくれるかもしれませんが、いつか対応できなくなるかもしれません。
相手の信頼から逃げたい時に
もう一つは、相手の信頼や期待を裏切る形になっている時です。
あえてダメなキャラクターや自分の弱さを見せることで、「当てにしないで!」「頼りにしないで」「私はあなたが思っているような人間じゃない!」と、相手の信頼や期待から逃げてしまうことがあります。
セルフハンデイキャップという言葉があります。
試験の時に「おれ、昨日全然寝てなくてさ〜」とか、言ってしまうアレですね。うまくいかない理由や言い訳を先にする心理や行動のことです。
失敗した時の心理的なリスクを下げたいわけです。
これと同じような心理から相手の信頼や期待から逃げたくなります。
恋愛でもよくある相談です。
お付き合いや結婚の話になると、急に相手が弱さを見せたり、ダメな態度をしたりする。「あんまり期待しないでよ、自信がないから、ガッカリさせちゃうよ!」と。
この話を聞けば「そんなことあるよね〜」とか、「あの男もこれだ!」と思うかもしれません。でも、実際に自分が期待や信頼から逃げたくて、弱さをさらけ出していることに気が付けないことがあります。
自分も、周りも信頼する
相手や周りを信頼していなければ、不安になりますからね。
どうしてもコントロールしたくなります。自分が安心できる結果へと誘導したくなりますからね。でも、それは言い換えれば自分のやり方に固執していると言えます。
自分の弱さを見せて助けて欲しいのに、自分のやり方にこだわる頑固さがあるわけですね。信頼してるの?信頼してないの?と矛盾があります。
また、自分を信頼していなければ、相手の期待や信頼からも逃げたくなります。信頼は成功を確信することではなくて、成功しても失敗しても自分を受け入れる覚悟を持つことです。
覚悟というと壮大に聞こえるかもしれません。
「失敗しても、成功しても、私はわたし」という感覚ですね。心理学的にはサレンダーと言ったりしますが。
「弱さを見せる」
その表面的な行動だけではなくて、内面にも目を向けてみてください。
無意識のコントロールや逃げたくなる自分に気がつくかもしれません。
桑野量の予約状況やカウンセリングのご利用は以下のボタンよりご確認ください。