恋愛

相手と距離を置くことで見えてくる本当の気持ち

距離を置くことをマイナスに考えすぎてない?

「距離を置く」 ことにどんなイメージをお持ちでしょうか?

恋愛でも、人間関係でもマイナスなイメージを持つ方が多いかもしれません。
一旦距離を置いたら、そこからどんどん離れていってしまうような気がしますかね。 

距離を置くことがマイナスに働くイメージが強いと相手との距離を少しでも感じたら、必要以上に離れないように相手を握り締めようとしてしまいます。

執着や束縛と呼ばれるものへと変化していきます。

「見捨てられ不安」という言葉もあるように、時に私たちは相手が離れていくことに猛烈に不安を感じてしまいます。それはきっと相手と距離を置くことにマイナスのイメージで強いからだろうと思います。

もし、少し距離を置くことで相手との関係が改善されることがあるのなら、きっと不安から相手を追いかけることも、逃げ出さないように握りしめることもしなくてよくなりますよね。

距離を置くことにプラスもマイナスもない!?

私たちは良くも悪くも距離が近ずぎると感情が強く出てしまいます。

例えば、
友達や会社の人に頼み事されても何も感じないのに、お母さんに頼み事をされるとイラッとしてしまうケースがあります。これは距離が近いことが一つの原因でもあります。他人なら許せることも、身内には許せないということがあるんですよね。

でも、他人だから許せないことも、身内なら許せるってこともあるんですよね。 距離が近いことがマイナスに働くことだけではなくてプラスに働くこともあります。

感情を強く感じやすいからこそ「家族の為に!」と頑張れることもあれば、「家族なのに、、、」と反発を感じてしまうこともあります。

距離が近いことがマイナスに働くのか?それともプラスに働くのか?
それは状況によって変わってくるんですよね。相手との関係性もありますし、それぞれ個人の状況にもよります。

仕事で疲れている時はつい家族に強く当たってしまうこともありますよね。
知らない誰かにご飯を食べさせることは難しくても、家族の為なら一生懸命働いておいしいものを食べさせてあげたいと思えることもあります。

ということは
「距離が近いこと(離れていること)自体がプラスやマイナスに働くのではなくて、その状況で距離が近いこと(離れていること)がどう作用するか?」それがポイントなのです。

しかし、私たちはオートマティックに距離が離れること自体にプラスマイナスのレッテルを貼ってしまうことがあります。

距離を置くことの効果は!?

距離を置くことの最大の効果は感情をフラットにすることです。

距離が近すぎて感情を強く感じてそれがネガティヴな影響を及ばしてしまう時に、距離を一旦置いて冷静になるということがポイントになっていきます。

一番分かりやすい例はケンカですよね。
ケンカの最中に相手に何を言っても伝わらなかったことが、時間や距離を置いて冷静になって相手と話し合うとスムーズに気持ちが分かり合えることがあります。

出勤前に家族とケンカしてイライラしてたけど、仕事をしている間に少しずつ冷静になってくることもあります。家に帰る頃には「私も言いすぎたな〜」とケーキを買って帰るかもしれません。 

1日では感情も落ち着かずに何日もイライラを抱えてしまうこともありますよね。

お母さんとケンカして3日は口を聞いてないです。
母からの着信があっても、出たくなくて一ヶ月くらい放置してます。 

とあるように感情をフラットに持っていけるまでの時間や距離も状況によって変わっていきます。 

時間が関わることもマイナスに捉えすぎる必要はありません。それだけ時間が必要なのは理由があるからです。

感情をクリアにしていく

例えば
よく行くコンビニの店員さん。 別に何か言葉を交わすこともないけど、お互いの顔は認識している程度。
その人とはイライラしている日も、めちゃくちゃ嬉しいことがあった日も、すごく悲しい失恋をした日も変わらずに会えると思うんですよね。コンビニ行けますよね。コンビニ行けるだけの体力がないこともあるかもしれませんが。

しかし、それが家族や身内だと変わっていきます。今日はイライラしているからいつもの親父の態度を笑って流せないということもありますからね。それはやっぱり距離が近くて、そこに敏感に感じる感情がたくさんあるからです。敏感に感じる感情に対応や整理をするにはやっぱりそれなりの時間が必要なものです。

感情を感じてそれをクリアにしていくことと感情的になってそれに振り回されることは違います。
距離を置くことは感情的になって振り回されることに一旦ストップをかけて、感情を感じてクリアにしていくことに切り替えることでもあるのです。

どんな時に距離を置けばいいの!?

距離を置く効果は感情をフラットにすることだと書きました。

これはあなたにも相手にも作用する効果です。
それが一緒のタイミングもあれば、時間差があることもあるのでコミュニケーションの難しさを感じてしまうかもしれません。

あなたは今すぐに自分の気持ちを伝えたいけど、相手にはそれを受け取る余裕がないこともありますからね。話し合いをしているつもりでも相手が逃げているように感じられることもあります。

それは相手があなたと向き合いたくないのではなくて、冷静に消化する時間が必要なのかもしれないのです。しかし、テンパってしまうとついつい相手を追いかけてその場で納得させようとしてしまいます。それがきっかけでさらに相手との溝が出来てしまいます。

でも、逆に距離を置かないでに気持ちを伝えた方がいい場合もあります。(ややこしいですよね)
素直に気持ちを伝えてればいいのに、遠慮していたらそれはそれで誤解とすれ違いを生んでしまいますからね。

それではどんな時に距離を置いた方がいいのでしょうか?

コントロールしたい気持ちが強い時に

相手の行動や返事、態度など、自分が思っているような結果にしようとコントロールしている時は距離を置いた方がいいでしょうね。あなたは相手をコントロールしようとしていますが、あなたは自分の感情にコントロールされていますからね。冷静になった方がスムーズにコミュニケーション出来ると思います。

「こうして欲しい」と思っていることを伝えることは大切ですが、絶対にさせようと相手を説得しようとするとコントロールになってしまいます。

コントロールしようとすると自分の気持ちと感情がだんだんと離れていくので、ますますコミュニケーションは伝わりにくくなって誤解を生みます。

例えば大好きな相手と週末デートしたいと思って相手をデートに誘いますが、相手は仕事で休みが取れそうにありません。そこで「なんで仕事を優先させて私とのデートは後回しなの!?」と感情的になってしまうと、相手への好きという気持ちよりも怒りが伝わってしまいます。

好きだからデートできなく悲しくて、それが怒りに変わっているのですが、相手はそれを理解出来る余裕がないかもしれません。怒りのエネルギーをぶつけられると、相手の中にある怒りのエネルギーも刺激されてしまいますからね。すると、コミュニケーションは思い寄らぬ方向に向かってしまいます。

彼もデートに行きたかったけど、仕方なく仕事をしなければいけないこともありますからね。お互いに好きという気持ちは持っていても表面に出てくる感情は怒りです。お互いに想いあっているのに、すれ違ってしまうのです。

あなたの心が感情に支配されていない時は(感情的になって振り回されていない時は)、相手を冷静に見ることができます。相手があなたを拒絶しているのか?感情的になって冷静になれていないのか?心に余裕がないのか?その判断も出来ます。

逆に言えば、相手の様子や状況が判断できなくて不安やストレスを強く感じてしまうときは、まだまだ自分の感情をクリアに出来ていないかもしれません。

時間が経っても消えない感情は!?

怒りも、悲しみも、罪悪感も、感情を感じていくことでクリアになっていきます。

例えば、仕事で失敗した罪悪感もその日は強烈に感じてしまうかもしれませんが、時間が経つにつれて少しずつ緩和されていくと思います。その仕事の失敗を繰り返さないように意識は強くなるかもしれませんが、感情的な「わぁ〜、どうしよう!!」といった感覚は薄れていきます。

でも、いつまでも引きずってしまう感情もありますよね。
その失敗からいつでも仕事に対する不安が付きまとってしまうこともあるかもしれません。

それはなぜでしょうか?

感情の大きさで変わる。



一つは失敗の大きさによって感情の大きさも変わっていきます。本当に些細なミスなら、その後にすぐに切り替えられますよね。失敗したと感じる罪悪感も小さいので、その感情をクリアするのにかかる時間も少なく済みます。

しかし、大きな失敗をしたらそれだけ抱える罪悪感も大きくなるので、その感情をクリアするのに1週間やそれ以上に時間がかかるかもしれません。それは感情がクリアにならないのではなくて、クリアになっているけど、そもそもの量が多くて減っていないように感じてしまうからです。

他の感情が混ざっている

例えば仕事で失敗したときの罪悪感を感じているつもりでも、その裏には劣等感が隠れていることがあります。「私は人より仕事が出来ないし、役に立たない」と感じていると、罪悪感を感じているように見えて、実はその劣等感が刺激されていることがあります。

その劣等感を感じるようになったきっかけの出来事の感情を感じることが出来ないと、仕事で失敗した罪悪感もなかなかクリアできません。

学生の頃に大事な試合でミスをしてしまって自分のチームが負けてしまったとします。その時は、その感情が大きすぎて感じること避けて、そのまま封印してしまいました。

その感情は封印されたままで心の中には残っているので、大人になって仕事で失敗をする度にその封印された感情まで刺激されてしまいます。

少し勇気がいることかもしれませんが、学生の頃に封印してしまった感情の扉を開いてクリアにしていく必要があります。

失恋などでも似たようなことはあります。過去の失恋の痛みを癒せていないので、その後の恋愛でも強く感情が揺さぶられてしまうのです。

偽物の感情に振り回される

私たちは偽物の感情を作り出してしまうことがあります。

例えば、お父さんのことが大好きなのに、いつもお父さんが仕事で忙しくて、遊んでくれないと寂しいですよね。すると心を守る為に、お父さんのことを好きじゃないように振る舞います。

好きから一転して嫌いという感情になることもあります。お父さんの嫌いなところばかり見ようとしてしまうからです。するとお父さんにイライラしたり、気持ち悪く感じたりするのですが、それは偽物の感情なんですよね。

本当の感情ではありません。
お父さんへの怒りやイライラをずっと感じていても、その感情が消えないのです。

それはそこに隠れているお父さんが大好きという感情に出会いたくない為に、常に偽物の感情を作り出しているからです。

好きの感情から偽物の嫌いという感情を作り出すこともあれば、嫌いの感情から偽物の好きという感情を作り出すこともあります。

以上3つの感情がクリアにならない理由を見ていきましたが、私たちの心は不思議なもので、一見合理的に見えないことでも心を守るためにやってしまうのです。

それは自分にとってもそうですが、相手にとってもそうなのです。
もし、合理的な見えない不思議な態度を相手がしている時には、そこに隠れている感情があるでは?と思って見ると理解出来るかもしれません。

距離を置くことのデメリットは!?

距離を置くことの効果は感情をフラットにすることと書きました。
では、距離を置くことで起こるデメリットはあるのでしょうか?

一番頭に浮かびやすいのは恋愛かなと思います。
相手と距離を空けたまま別れ話になってしまうこともあるかもしれません。

それが怖くて距離を置くことが出来ないこともあると思います。

一番最初に書きましたが、距離を置くこと自体にはプラスやマイナスはありませんが、その結果が自分にとってネガティヴに思われるようなものになることがあります。

例えば、喧嘩ばかりしてなかなかうまくいかなくて、お互いに一旦冷静になろうとして、距離を置いたら、そのまま別れ話になってしまったケースがあります。

「あの時に距離を置かなければうまくいったかもしれない!」と思うかもしれません。
しかし、ちょっと厳しく聞こえるかもしれませんが、その時に距離を置かなくてもやはりうまくいかなかったということがほとんどです。

見えなかった気持ちがはっきりしていく

感情をフラットにするとは、感情的になって見なくなった本当の気持ちに気が付けるということです。感情的に見なくなってしまっていたけど、相手の中には「もう別れたい」という気持ちがあるんですよね。

だから、距離を置いて相手が自分の気持ちに整理していくことで、その「別れたい」と気持ちがはっきりと浮かんでくるんです。距離が近くても離れていても、その「別れたい」という気持ちは元からあるんですね。

逆に言えば、相手の中に「ずっと付き合っていたい」という本当の気持ちが感情をクリアにしていくことではっきりをしていくことがあります。その場合は復縁だとか、ヨリを戻すという話になっていきます。

距離を置くということは、お互いに思っている本当の気持ちをはっきりさせてくれるものです。
その点では、自分にとってはマイナスの気持ちを相手にはっきりと出てくるかもしれません。

その意味ではデメリットと感じるかもしれません。
しかし、別れた理由が距離を置いたことではなくて、それまでに蓄積されていったものが原因なんですよね。その場合は「距離を置く」というよりも、「手放し」というのがキーワードになってくるかと思います。

逆に言えば、自分の気持ちも思っていたものとは違う本当の気持ちが出てくることがあります。

どしても彼と一緒になりたいと思っていても、上手くいかない恋愛。
しかし、相手と距離を置いて、自分の感情をクリアにしていくと不安や恐れがだんだんと消えていって、本当は彼じゃなくてもいいかもしれないという気持ちが出てくることもあります。

本当は好きじゃない人を追いかけてしまうこともあるんですよね。
途中でも書きましたが、心は一見不合理に思えることをしてしまいますし、嫌いなのに好きという偽物の感情を作ってしまうこともあるのです。

心の繋がりと距離を置くこと

距離を置くことは、「心の繋がり」とは全く反対に思えるかもしれません。

しかし、距離を置くことは、自分が振り回されていた感情をクリアにして、本当の気持ちを理解することにあります。そして、相手の行動や気持ちを理解するゆとりを作ることでもあります。

物理的に距離を置くことは離れてしまうように思えるかもしれませんが、心の作用としては相手への理解という「心の繋がり」なのです。そして、自分自身の本当の気持ちと繋がることです。

私たちはついつい目に目えるものや形としてはっきりとしているもの、言葉で分かりやすいものを求めてしまいます。それが安心に繋がるような気がしてしまいます。でも、そればかりに注目してしまうと心の繋がりがかえって見えてこないことがあります。

恋人だから、家族だから、一緒にいることが素晴らしいと思って固執していると、一緒にいても心は離れてしまっていることもありますからね。

私たちは気持ちと裏腹の態度を取ってしまうこともあるし、心の余裕がなくて大好きな人の気持ちを受け取ることが出来ない時もあります。意地を張って素直になれない時もあります。

自分の気持ちをクリアにしていく

距離を置くことは、ただそれだけをしてもうまくいきません。
物理的に距離を置くことが目的ではないからです。

自分の感情をクリアにしていき、気持ちに整理していくことです。
その先に、自分は本当は何をしたいか?何を伝えたいか?相手をどんな関係を築きたいのか?それを見つめ直す作業でもあります。

繋がりを取り戻すために、一旦距離を置いて冷静に自分の気持ちと向き合っていくことは、大切な時間になると思います。

桑野量の予約状況やカウンセリングのご利用は以下のボタンよりご確認ください。

最新予約状況

カウンセリングについて