恋愛

未練を手放すために彼との連絡を断って起きる変化について

未練や執着は恋愛のカウンセリングで扱うことが多いテーマです。

執着を手放すために「相手との連絡を断つ」のは有効な手段なのですが、それがプラスに働く場合とマイナスに働く場合があります。

「連絡を断つことでどのような変化が自分の心に訪れてくるのか?」それを知ることで、自らの決断をプラスに持っていけるようにしたいですね。

期間別に心に出てくる変化についてまとめていきます。日数は「およそ」なので、だいたいの目安で捉えてくださいね。

連絡を断って0日から3日

ダイエットもそうですが、最初の3日間が鍵を握ります。

興奮と勢いで3日間をすぐに過ごせる人もいれば、この3日間が1番きつい方もいます。どっちにしろ心のエネルギーをかなり使います。

①勢いで乗り越えるパターン

「もうこの男なんて知らない!」と怒りのエネルギーに任せて勢いで「連絡断ち」が出来れば楽と思われるかもしれません。でも、この怒りのエネルギーも実は心が消耗しているんですよね。

めっちゃ怒った時って疲れません?お腹が空いたりとか、睡眠時間も長くなったりします。一時は興奮して寝れないパターンもあるかもしれませんが、寝不足は蓄積されてますから、しばらくして眠くて眠くてしょうがない日々がやってきます。

②しんどくて堪らないパターン

一分一秒が長く感じられます。スマホを触って彼に連絡したい気持ちを無理やり押し留めているかもしれません。

まるで熱いサウナにいるかのように、ジリジリと時間が過ぎていく感覚です。

苦痛や未練を感じる度合いだけ「彼のことを好きかもしれない!」「彼なしでは生きていけない!」と思い込むかもしれませんが、実際にはそうでないケースも多くあります。

彼に依存していた度合いだけ離れることにエネルギーを使うんですよね。粘着力の強い大きなシールを剥がすようなものです。粘着力が弱くて小さいシールならサッと剥がすことができます。でも、シールが大きくて粘着力が強いほど、剥がす時にエネルギーが必要です。

ヘビースモカーな人ほど禁煙するストレスが大きくなることに似ているかもしれませんね。

1日に何箱も吸っている人は、ちょっとした時間でも「吸わない」ことにストレスを感じます。でも、元々吸っている本数が少ない人は、そこまでストレスが大きくなりません。

依存の強さについて

ここでちょっとした補足です。

【依存の強さ】がそのまま彼への愛ではないことがあります。

彼と出会う前から大きな孤独や寂しさを抱えている場合は、なかなかその感情を向き合えない場合があります。その感情と向き合えないから、彼に依存していることがあります。

未練が強いほど、彼を大好きと思うかもしれませんが、それがフェイク(偽物の感情)で、本当は孤独や寂しさに向き合いたくない抵抗感が強いだけの場合もあります。

最初の数日がめっちゃ疲れる。

①②のどちらの場合もすごくエネルギーを使います。自分が思っている以上に心のエネルギーを使ってます。

「執着を手放すために自分と向き合うぞ!」と思っていても、最初の数日でエネルギーを使い果たしているので、それどころではありません。

午前中に運動会をして、午後からフルマラソンを走って、夜中に富士山に登頂して、その後にカウンセリングを受けるようなものでしょうか?

心と向き合うよりもまずはしっかりと休息を取ることですよね。

連絡を断って3日から10日

ここが1番挫折しやすい期間ですね。

これまで書いてきたように心のエネルギーを使い果たしていますからね。

「彼にもう連絡しない!」の決意のパワーが下火になりがちです。「3日間でこんなにキツいなら、もう1週間も、1ヶ月も続けば身体も、心も持たない!」と感じます。

でも、先ほど言ったように最初に3日間が1番エネルギーを使います。やるべきことは未来への不安を考えることでもなく、「彼との連絡を断つ!」と決意を強くすることでもなくて、ただ心と身体を休めることです。

「彼にやっぱ連絡しようかな?やめようかな?」と、どうしても考えてしまうので、心を休めることが難しいかもしれません。

身体を休めることを意識する

その時は、身体を休めることを意識してください。身体を休めることで心も緩めることができますからね。厳しい三日間を耐え抜いたわけですから、自分にご褒美を与えるつもりで身体をメンテナンスしてあげてください。

好きな入浴剤でお風呂に入る。素敵なカフェでランチを食べる。

小さなことでいいので、自分を労ってあげてください。

また、「何か」に熱中することも心を休める方法の一つです。

スポーツをしていると、目の前のことに集中して過去や未来のことまで意識が行きませんからね。身体を動かすこと、自分が熱中できることをやってみてください。

家事や片付けなんかもいいかもしれません。

友達を招集する

自分1人で抱えるほど、心に負荷がかかりますからね。

友達と会って、とにかく何でもいいので喋りまくるのも有効ですね。溜め込んで抱えていたストレスを吐き出すこともできますし、友人と時間を共有することで安心感も感じられますからね。

クライアントさんでもこの時期に、何度もカウンセリングを受けられる方が多いですね。とにかく吐き出して、聞いてもらって、デトックスして心を休ませていきます。

「すぐに何度もカウンセリングを受けてすいません。」と遠慮して言われる方もいます。でも、ここでしっかりと心と身体を休めることが大切なので、しっかりと甘えて頼っていきましょう!自立して1人で抱えてもいいことはありません。

連絡を断って10日から25日

ここら辺りから連絡を取らない状態にも慣れてきます。

心も身体も回復してきますし、連絡を断つことに大きなエネルギーを必要としません。いい意味で相手のことを考える時間も減ってきます。

でも、その【相手のことを考える時間の減少】こそが大きな罠になります。

言ってしまえば、暇な時間ができます。

今まで彼のことを考えている時間は「なんてメッセージを書こうかな?」「返事はやってくるかな?」「彼は何を考えているのかな?」と、1日の中で相手のことを考える時間が膨大に減っていきます。

月曜日から金曜日毎日働いていたのが、急に週2日の勤務になったような感じですね。身体的にも、精神的にも負荷が減ります。でも、それに慣れてくると、空いた時間を持て余してしまいます。

ここで注意したいポイント

空いた時間は自分と向き合えるチャンスでもあります。でも、それに慣れていないと、どうしても今までと同じ行動を繰り返してしまいます。

ストレスを抱えて仕事を辞めた人が、空いた時間に何をしていいか分からなくて、またギュウギュウに仕事を詰めてしまう心理に似ています。

どうしていいか分からないから、前と同じ行動を繰り返してしまう

このことを頭の片隅に置いておきましょう。相手に連絡したい気持ちが高まることもあります。でも、その時に一時停止をして、「本当に彼に連絡したいの?それともどうしていいか分からないから昔と同じ行動をしようとしてない?」と自問自答してくださいね。

連絡を断って25日から45日

自分の心と向き合える時間が少しずつ増えていきます。

彼に執着していた時には見えなかった本当の気持ちが見えてきます。相手と距離が近い時は、どうしても刺激が強くなりますからね。彼の行動や態度に反応しているだけで、時間もエネルギーも使い果たしてしまいます。

受け身のポジションなわけです。

でも、距離が離れることで少しずつ自分の心と能動的に(積極的に)向き合っていくことができます。

本当に私が求めているものは?」「どんな恋をしたいの?」「私が心からリラックスできる関係は?」と自分が本当に欲しいものと向き合えるかもしれません。

また、

どんな感情と向き合うのが怖いの?」「何を感じたくないの?」「何を思いだしたくないの?」と昔から抱えていたネガティヴな感情を向き合えるようになるかもしれません。

100%自分に集中する時間を作っていく

この時間がとても大切になります。

執着が強くなる方の中には、「自分以外を優先させ過ぎる人」が多くいます。それ自体は悪いことではないですし、その人の才能でもあります。

自分以外の人のために頑張れるし、優しくなれるわけですからね。

でも、あまりにも長い間、自分のことを放っておいてしまうと、いつの間にが自分が分からなくなってしまいます。自分の気持ちを大切にしたいのに、「自分が何をしたいのか?自分に優しくするとは何か?」分からなくなります。

自分が分からないから、自分以外の物や相手に執着を強くしてしまいます。

100%自分に集中する時間が、見えなくなった自分を取り戻していく時間になります。すぐには「自分のこと」「自分の気持ち」が分からないかもしれません。

でも、時間をかけていきましょう。その時間こそが少しずつ自分の形に輪郭を作ってくれます。

連絡を断って45日から60日

連絡を経っている状態が当たり前なので、「連絡を断つ」と意識することもないかもしれません。

それよりも自分がこれから「どう生きていくのか?」「どんな恋愛をしていくのか?」その新しい目標に向かって動き始める期間になります。

ここでもちょっと焦りを感じることがあります。

「新しい自分になりたい!」けど、「何も始めることができない!」「何も変われてない!」と自分を責めてしまいます。

今までの自分を褒めてる?

焦りたい気持ちも分かりますが、その前に今までの自分を褒めることが出来ているでしょうか?

彼との恋愛もそうですし、それ以前の出来事でも、自分を褒めていますか?

自分にダメ出しするほど、「変われない自分」に焦りを感じてしまいます。新しい自分になることも大切かもしれませんが、自分を受け入れることも同じように大切なのではないでしょうか?

悲しみや孤独を抱えて一生懸命愛したこと。信頼したいと願ったこと。彼のために出来ることを精一杯してきたこと。

彼だけじゃないかもしれませんよね。家族に、友達に、会社でも、一生懸命自分にできることを頑張ってきたかもしれません。自分の傷を抱えたまま人のために生きたこともあったかもしれません。

そんな自分を褒めてあげられているでしょうか?

「才能」の裏には痛みもあるし、「優しさ」の裏側に過去の傷もあります。

誰かの為に頑張り過ぎて、自分を見失ってしまったかもしれないけど、そこにある想いや優しさは掬い取ってあげていいんじゃないでしょうか?

焦りの裏で自分を責めている気持ちがあれば、それを自分に対する優しさへと変えてあげてくださいね。

スムーズに行かなくても大丈夫

大きな流れですが、心の変化をまとめていきました。

日数はおおよその目安ですし、心の変化も上記の通りに進まないこともあります。

「連絡を断つ!」と決めても、連絡することもあるかもしれません。うまくできない自分を責める必要もないです。自分のタイミング、自分のペースも大切にしてあげてください。

執着することが「完全な悪」でもありませんからね。

大きな孤独を抱えたケース

デートをドタキャンする。嘘をつく、ひどい言葉を浴びせられる。他の女性の影がある。

そんな相手となかなか離れることができない方がいました。彼のそばにいてもキツいけど、1人になる方がもっとキツい。だから、心も身体もボロボロになっても、彼との関係を断つことができません。

幼少の時から、両親の不仲、性的なトラウマ、いじめを体験されていました。

1人で抱えてきたストレスも感情も大きすぎて、それを感じない防衛反応として、彼に執着していました。一つの救済処置であり心を防衛しているのです。

過去の痛みを麻痺させる為に、現在進行形の痛みを利用しているわけです。

それが悪いことなんて誰にも決められませんよね。でも、そのまま彼との関係を続けてしまえば身も心もボロボロに成り果ててしまうのも確かです。

その方は少しずつカウンセリングを受けて、過去の痛みを手放していきます。過去の痛みと向き合える時もあれば、現在の彼との痛みを処理をすることでいっぱいいっぱいな時もありました。

時間をかけて【痛みを痛みで隠す選択】を選ばなくてもよくなりました。

執着を手放せないのも理由がある。

このように執着を手放せないことにも理由があります。

執着を手放せないことを自分を責める理由にしなくて大丈夫です。

そこに隠れている背景を知って、自分にできることを選択することです。もし、すぐに執着を手放せないのなら、「その原因がどこにあるのか?」を見つけていくことがまずは必要です。

執着を手放すのは自分の幸せと喜びのために

「執着を手放すのは、自分の幸せと喜びの為に」

そのことを忘れないでくださいね。無理やりすることでもないですし、自分の痛みと強制的に向きあう必要もありません。

「執着を手放すこと」はあくまでも「自分の幸せと喜び」を手に入れるための手段です。「執着を手放すこと」が最終目的になって、その為に今以上に自分を傷付けるのは、本末転倒になってしまいますからね。

執着を手放す時には、勇気も必要ですし、時に我慢も必要かもしれません。

それと同じくらい「心の余裕を取り戻していくこと、時間をかけてゆっくりと、自分を追い込まないこと」も大切ですからね。

今回もブログも、「ここに書いている通りに進まない!」と自分を責める道具にしないで、より自分を知る優しさの為に使ってあげてくださいね。

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