ライフ

「許し」が苦手なあの人を味方に変えてくれる。

この世界には、

怒りたくて怒りたい人など、

いないのかもしれません。

怒りの下には、

助けて欲しい、分かって欲しい、愛して欲しい。

の3つのSOSメッセージがあると、

心理学の本には書いてありますが、

だからと言って、

怒られることや、

自分が怒ってしまうことを、

心地良く受け入れるかと言ったら、

そうではありませんね。

先日、

飲食店におじいちゃん、お母さん、
そして2人の小学生くらいの姉妹が入ってきました。

妹さんの方が、

歩き疲れたのか、

まだ他のお客さんが座っているテーブルに、

座ってしまいました。

そのテーブルのお客さんは、

ちょうど食べ終わったばかりで、

その小さい妹さんの為に、

席を空けてくれました。

『もうお会計しますので、、、』

そう言って、

席を譲ってくれたお客さんに対して、

おじいちゃんが、

『ありがとう』と言いなさい!

と妹さんに促します。

しかし、

妹さんは恥ずかしいのか、

モジモジするばかり、、、

すると、

おじいちゃんは、少し厳しい声で、

『ありがとう』と言いなさい!

しかし、

妹さんは、そのおじいちゃんの声にも萎縮してしまって、固まってしまいます。

席を譲ってくれたお客さんは、

『大丈夫ですから、、、』とレジをすませて、

お店を出て行きました。

おじいちゃんは、

それでも妹さんに向かって、

モジモジして何も出来なかったことを

怒ってました。

店内の人が、

直接は見ないようにしてましたが、

その様子を気にしてました。

おじいちゃんに怒られて、

ついに妹さんは泣き出してしまいます。

それを見兼ねて、

お姉ちゃんが、

『もう!そんなに怒らないであげて!』と助け船を出しますが、
おじいちゃんの怒りの矛先は、

お姉ちゃんに向かってしまいます。

とうとう、

お姉ちゃんも泣き出して、

姉妹揃って泣き声が店内に響き渡ります。

おじいちゃんも

バツが悪くなったのか?

黙ってしまって、

お母さんも困った様子でしたが、

メニューを開いて、注文をしてました。

その日は、

休日でしたから、おじいちゃんもお孫さんも、

楽しみにしていたお休みの日だったかもしれません。

しかし、

黙々と運ばれてきた料理を食べてました。

店内にいた誰もが思ったでしょう。

『あんなに怒らなくても良かったじゃん!』

お店のスタッフも気を使って、

『美味しいですか〜?』と声をかけてました。

まるで、

お通夜のような雰囲気の中、

1番後悔しているのはおじいちゃんでした。

「こんなはずじゃなかったのな〜」

そう思っていたのでしょうね。

どんどん背中が小さく丸くなってました。

突然、

最初に怒られて泣いてしまった妹ちゃんが、

おじいちゃんに駆け寄って、

ぎゅーっと抱きしめました。

『ごめんなさい』

突然のことでビックリしていた、

おじいちゃんも、

『ごめんね〜』

と抱きしめ返してました。

『人様にしてもらったことに、

ちゃんと「ありがとう」と言える子になって、

欲しかったんだよ、、、

でも、おじいちゃんが怖かったね。

ごめんね』

そうやって、

優しい声に戻ったおじいちゃんに、

妹ちゃんは、

『大丈夫だよ、じぃじ〜』

とぎゅーっとまた抱きしめました。

その姿を見ていたお姉ちゃんも、

『私も〜じぃじ好きだからね!』

と抱きしめに行きました。

おじいちゃんは、

嬉しかったのか?安心したのか?涙を堪えてたのか?

顔が真っ赤になってました。

許しの意味とは

なんと良く出来たお孫さん達でしょうね笑っ

ヒーリングワークやカウンセリングの現場で、

行われる『許し』をサラっとやってのけてました。

カウンセリングサービスのブログの愛読者なのかもしれません。

もしかしたら、

こうやっておじいちゃんのハートを掴んだら、

トイザらスで何でも買ってもらえると狙ったのかもしれません。

ここで、

ポイントなのは、

怒っていたおじいちゃんが、

罪悪感を感じて、

それをお孫ちゃん達に許されて、

ほっと安心していることです。

不思議に思うメカニズムですが、

怒っている人は、

怒ってしまったことに罪悪感を感じてます。

怒られた方からすれば、

『本当に〜?怒りたくて怒っているんでしょ?』

と思いたくなりますが、

相手は罪悪感を感じているのです。

罪悪感を感じている人の行動は、

いくつかに分かれていきますが、

①罪悪感を正当化しようとする。

②罪悪感をより強い罪悪感で強化する。

という行動をするので、

はたから見ていると相手が

『俺はなんてことをしたんだ〜』

反省など感じていないような気がします。

罪悪感を感じている人は、

『こんな俺のこと、みんな嫌いだよな〜』と

深層心理で思ってしまいます。

だからこそ、

おじいちゃんは、

『こんなじぃじのこと、孫はきらいだよな〜』

思っていたのに、

孫から許されたこと(抱きしめられたこと)で、

『こんなじぃじでも、好きでいてくれたのね!』

と嬉しくなったのです。

大人なった私たちは、
気軽に怒られた相手を抱きしめにいくことも出来ませんし、
トイザらスで何でも買ってもらえるからって、行動には通せません。

ただ、
あなたを怒っている相手は、
少なくとも、
『こんなに怒っている俺は嫌いだよね?』
とは思っています。

すると、
罪悪感を強化する行動をとってしまいますから、
さらにあなたに怒ってしまいます。

妹ちゃんに怒っていたおじいちゃんが、
今度は姉ちゃんに怒ってしまったのは、
まさに罪悪感を強化する行動ですよね。

怒られる相手から、
逃げてしまうと、
相手は強く罪悪感を感じてしまいますから、
さらにあなたに嫌われるような行動に出てしまいます。
罪悪感を強化するんですよね。

すると、
もっとあなたは怒られるようになってしまいます。

では、
そうならないために、
相手の為に怒られたことを許すのではなく、
自分の為に相手の怒りを許してあげるのはどうでしょうか?

相手が抱えている罪悪感を、
許してあげるのです。

相手は、
自分の抱えている罪悪感を強化することはしなくてすみますから、
もうあなたを怒る必要はありません。

逆に、
そこに親密感と愛着が増します。
そうすれば、あなたを傷付けようとは、思わなくなりますからね。

一番苦手だったあの人が、
許しの恩恵によって、一番の味方になる。

許しとは、
この意味においても、
相手の為にということだけでなく、
自分の為にも相手を許すことなんですよね。

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