「みにくいアヒルの子」が教えてくれること
アンデルセン童話「みにくいアヒルの子」は皆さんご存知でしょうか?
アヒルの子どもが生まれていく中で、一匹だけ周りと違う姿の子どもが生まれます。
それが白鳥の子どもなわけですが、周りはそのことを分からないんですよね。本人も知りません。
周りからはみにくいアヒルの子と呼ばれてしまいます。
みにくいアヒルの子は周りのアヒルの子どもにいじめられてしまい、そこから逃げ出して旅に出ます。
旅先でも不遇な扱いを受けてしまいます。
他の鳥に出会ってもいじめられてしまうのです。
ある日、白鳥の群れを見つけます。
みにくいアヒルの子はまだ大人に姿になっていないので、白鳥を見ても、それが将来の自分の姿を分かりません。
「あんな綺麗な鳥になれたら、どれだけ素晴らしいだろうか」
叶わない夢として白鳥の子供はその群れの姿を見ていました。
それからも厳しい旅は続きます。
冬の寒さに凍えそうになっていたところを優しいきこりに出会って救われるのですが、またいじめられるかもしれないと不安になり逃げ出してしてしまいます。
※優しい人に出会っても恐れから逃げ出してしまうのは、現代の心理学にも通じるものがありますよね。親密感の恐れを言われると分かりやすいかもしれません。
厳しさ冬を乗り越えて、春になります。
春の陽気に気持ちよくなって羽を広げてバサバサと動かしていると、身体が少し浮き上がりました。
みにくいアヒルの子はすごくびっくりしますが、勇気を出して、一生懸命に羽を動かすと飛ぶことができました。
そこで初めて自分が飛べることを知るのです。
嬉しくなっていろんな場所へと飛び回ります。
そうやって楽しく飛び回っていると、白鳥の群れがみにくいアヒルの子に近づいてきます。
不審に感じるみにくいアヒルの子ですが、水に写った自分の姿を見て、やっと気づきます。
自分が成長していて、昔憧れた白鳥の姿になっていることに。
細かいところは絵本や国によって違うかもしれませんが、大まかなストーリーはこのようになっています。
この物語はセクシャリティや自己嫌悪、魅力や才能といったカウンセリングで扱う根本にあるテーマを上手に描いていると思います。
本当の魅力を知らないまま隠しているかも
幼少期の体験や誤解から自分の価値や魅力を受け取れないこと。
自分に魅力あってもそれに気付けないこと。
みにくいアヒルの子は、自分が白鳥の子どもであることを知らないまま白鳥の憧れていきます。
自分の魅力に気付かずに他者に嫉妬したり、憧れたり、私たちも同じようなことをしてしまいますよね。
また、自分がすっかり大人の白鳥になっていることも自分で気付けませんでした。
憧れていた姿になれた魅力的な自分に気付けないのです。
魅力を見てくれる人の側にいく
カウンセリングで
「あなたを大切に扱ってくれる人の側にいてください。」
と伝えることがあります。
それは自分の価値や魅力に気付いてくれる人に会いにいくことなんですよね。
これは白鳥の群れが近づいてきてくれたことで、みにくいアヒルの子が自分が白鳥だと気付けたように、自分にふさわしい場所や人に出会うことで自分の価値を知ることができます。
みにくいアヒルの子をいじめていた他のアヒルの子どもは、その魅力を知ることができなかったのです。
私たちの世界は時に優しくない環境やベストではない相手に出会うことがあります。
だけど、それがすべてではありません。
また、恋愛でも、仕事でも、同じようなことが言えるのですが、自分の魅力や才能に先に気付くことばかりではありません。
出会った仕事で、または出会った相手が教えてくれることもあるのです。
人に出会うことは、自分自身の出会うことなのです。
憧れた魅力は実は持っている
みにくいアヒルの子が白鳥の姿に憧れたように、私たちは憧れたものを実は手にしているのかもしれません。
だけど、気付けないのです。
過去に囚われた心が真実を見ないようにしてしまうのです。
勇気を出して羽を広げて、飛び上がるのです。
あなたの心のまま気持ちよく飛び回ってください。
あなたの価値や魅力を知っている人に出会うことができます。
すべてを知ってから飛び出す必要はありません。
いつでも、飛び出していいのです。
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