何をやってもうまくいかない気持ち。
「心理学的には無価値感が隠れていますね〜」と説明出来るのですが、無価値感があるって分かったところでうまくいかない気持ちは 無くなってくれるわけではありません。
どうにか前を向こう!
気持ちを切り替えてポジティヴにいこう!
そう考えてもネガティヴに引っ張られてしまうこともあります。
しばらくは順調に気持ちを切り替えることが出来ていたのに、何かの拍子でズルズルとまた落ち込んでしまうこともあります。
「落ち込んでいても何も始まらねぇぜ!」
そうやって、必死にポジティヴな方へ気持ちをシフトさせることも大事ですが、
「しっかり落ち込んであげないと、次には進めないぜ!」
ってのもあるわけです。
ポジティヴに前を向くって一見素晴らしいように思うのですが、ネガティヴな感情をただ否定しているだけの場合があるからです。
なんというか片付けるのがめんどくさいので、押し入れに詰め込むだけみたいなものです。
正確には片付けていない、見えないように隠しただけです。
押し入れの中身はパンパンです。だから、何かの拍子で押し入れの中身が飛び出してくる。
それが前を向いたり、下を向いたりの繰り返しになる原因です。
飛び出してきたものを、無理やり押し入れに詰めて、また飛び出してきて。
もちろん、人間ですから落ち込む日もあれば、前向きな日もありますからね。
気分の浮き沈みは天気のようなもので、変化していくのは当たり前です。
ただ、押し入れに詰め込んで、飛び出して、を繰り返していると、それだけで疲れてしまいますからね。「いざ何かやろう!」と思った時にエネルギーが枯渇して、集中力も気力も続かない。
続かないので、「何をやってもうまくいかない」とまた自分を責めてしまう。
そんなループにハマってしまいます。
だから「しっかり落ち込むこと」って大切なんですよね。
押し入れに詰め込むのではなくて、ちゃんとゴミ捨て場に捨てることです。
そもそも落ち込むのは、それだけ頑張っていたからです。
だからこそ悔しいし、情けなくなるし、無駄だったと思ってしまいます。
同じように頑張っても報われないかもしれない不安だって出てきますよね。
しっかり落ち込むことは、ただネガティヴな感情を感じることではありません。
ネガティヴな感情が出てくるくらい、頑張ってきた過去を認めていく作業なんです。
あなたが過去を認めてあげないと、未来に希望を持てません。
それは結果を受け入れるという言葉に似ているようで、少し違うように思います。
どのような結果であっても、その瞬間、その瞬間に一生懸命生きてきたわけで。
その命のきらめきとでも言うのでしょうか?
あなたがちゃんと生きてきた日々を認めてあげることです。
すると
「でも、私はちゃんとして来なかった」
「本当にしっかりしてたら、こんなはずじゃなかった」
とか、そのような声が聞こえてくるかもしれません。
しっかり落ち込むことは、そのような声を聞きながらも自分の生きた証から目を離さないことです。
カウンセリングでも未来を明るく見ることよりも、過去を認めてあげることに時間を費やすことがたくさんあります。
しっかりと一緒に落ち込んでいくわけです。
大丈夫。無理に前を向かなくて。
そうやって今、頑張って前を向こうとしているように、
いろんな場面でしんどくても必死に前を向いて頑張ってきたんだと思います。
そんな気持ちで一緒に過去を振り返っていきます。
ひとりで振り返るとついつい自分の厳しい言葉ばかりに耳を傾けてしまいますからね。
前を向くだけが人生じゃなくて、たまには過去をしっかりと抱きしめてあげることも大切です。
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