目次
優しさを疑ってしまう理由
道を歩いていて、急に目の前の人から
「100万円あげます」と言われたら受け取りますか?
「ありがとう!」と即答で受け取る人の方が少ないと思います。
それは100万円が欲しくないのではなくて、100万円をもらえる理由が分からないからです。
で、その理由が分からないことに不安や疑いが出てきます。
怪しい詐欺じゃないだろうか?
あとで何かを請求されるんじゃないか?
と。
これは100万円じゃなくても愛情でも優しさでも同じことが言えます。
人は自分が愛される理由や優しくされる理由が分からない時に、目の前に出された愛情も優しさも受け取れなくなってしまいます。
無価値感が刺激される
騙されているかもしれない?
あとで何かを請求されるんじゃないか?
と。
疑ってしまうわけです。
そのような疑いが強い相手を好きになると無価値感が刺激されやすくなってしまいます。
(元々無価値感が強いとそのような恋愛に惹かれてしまうこともあります。 )
もっともっと与えようとします。
優しくすることや愛することは素晴らしいことですが、無価値感がベースにあると燃え尽きてしまうことがあります。
それは「何かしなければ私は愛されない」という不安があるからです。
不安がモチベーションになっていると相手への期待を高めてしまいます。
これくらい頑張っているから、きっと「見返り」があるはずだ!と。
燃え尽きを起こす2つのトラップ
ここに2つのトラップが待ち構えています。
期待が高くなる
一つ目は相手への期待が高くなってしまうので、相手が差し出してくれた愛情や優しさも受け取れなくなることです。
「私はこれだけやっているのに、ちょっとしかくれない!!」と。
頑張れば頑張るほど、愛されている実感を感じられなくなってしまうのです。
そうして燃え尽きた先あるのは、虚無感です。
何をしてもうまくいかない感覚、自分が誰からも必要とされない感覚になってしまいます。
気持ちが離れていく
二つ目は相手の気持ちが離れていく可能性が高くなってしまうことです。
100万円の例で、いきなり「100万円あげるよ」と言われても、「あとで何か請求されるのでは?」と不安になってしまうことを書きました。
無意識に相手へのハードルが上がっていくと、相手は見返りを求められているような感覚になっていきます。
「これだけ優しくしてくれるのは(愛してくれるのは)何か見返りを求めているからだ!」
ふたりの関係が愛情で結ばれた関係ではなくて、利害関係で結ばれているような感覚になっていきます。
すると、愛されるのが怖くなってしまうのです。
「愛されると、もっと大きなお返しをしなければいけない!」と思ってしまうからです。
誕生日やイベントの時に「プレゼントのお返しを考えるのがめんどくさいから、プレゼントをもらうのが嫌だ」と思ってしまう方もいると思います。
相手に何か与えることを苦手と感じている人には、それが強いプレッシャーになってしまいます。
頑張ったのに関わらず相手が離れていってしまった。
これも燃え尽きを引き起こしてしまいます。
その瞬間を楽しむこと
じゃあ、どうすればいいのか?
答えは簡単です。
何もしなければいいのです。
ふたりでいる時間をただ楽しむことです。
でも、それが出来ないのです。
「何かしていないとソワソワしてしまう」からです。
「何かしていないとソワソワする女」と「何かされると居心地が悪くなる男」という関係になってしまうわけです。
その瞬間を楽しむことそれだけいいんです。
何もしなくてもただ一緒にいることで幸せを感じで、その幸せをふたりで共有することが出来ればいいのです。
無価値感に支配されてアレコレしたくなる時は、心が過去や未来にいってしまって、その瞬間にいません。
その瞬間を楽しめないと「あれこれ」しなければ落ち着かなくなってしまいます。
自分の気持ちにフォーカスする練習をしていく
もしかしたら、自分の気持ちよりも周りの誰かの気持ちばかり気にして生きてこなければいけない過去があったのかもしれません。
いつ怒るのか分からないお母さん。
何を考えているのか分からないお父さん。
そうやって、その瞬間の自分の気持ちよりも周りのことばかりを考えていたのかもしれません。
その瞬間の自分の気持ちにフォーカスしていくこと。
それには練習も必要です。
カウンセリングでは音楽をかけて、ただ自分の気持ちにフォーカスしていく時間をとることがあります。
時には僕が「今、何を感じていますか?」と質問しながら、
曖昧で霧がかかった心に少しずつ光を当てるようにフォーカスしていきます。
その瞬間の気持ちにフォーカスしていくこと。
当たり前のように思えて、相手の気持ちにフォーカスすることが長いとうまく出来ないことがあります。
ひとりの時は出来るかもしれないけど、周りに人がいると自分の気持ちからフォーカスがずれてしまいます。
自分の気持ちを言葉にしたり、感じたりしようとすると頭が真っ白になっていくような感じがあるかもしれません。
ただえさえ真っ白になってしまうのに、無価値感や罪悪感とか言われても、ややこしくて分からなくなってしまうかもしれません。
今、その瞬間の、その場での気持ちにフォーカスしていくこと。
まずはそれから練習してみてください。
「私、本当はこんな気持ちだったんだ!」
知っているはずの自分の知らない気持ちを発見していくと思います。
桑野量の予約状況やカウンセリングのご利用は以下のボタンよりご確認ください。