シングルマザーの相談で「完璧な母親にならなければいけない」という強い思いを聞かせてもらうことがあります。
子供にとって完璧なお母さんでありたい!気持ちはとても素晴らしいと思います。
でも、それが見えないプレッシャーとなって、自分を苦しめているのなら、本末転倒になっている場合もあります。子供はちゃんと母親を見ていますからね。
子供の前では隠しているつもりでも、そのプレッシャーからの苦しみが伝わっています。
そもそも「完璧な母親」ってどんなお母さんのことなんでしょうか。
なぜ、完璧さを求めてしまうのでしょうか。
完璧ではなくても優しいお母さんでも、笑っているお母さんでもいいかもしれないのに。
目次
離婚した罪悪感
どんなに相手の方が暴れん坊で、手をつけられなくて離婚を選んだとしても、子供から父親を奪ってしまった罪悪感を抱えてしまうことがあります。
「子供の幸せを自分が奪ってしまった。」
その罪悪感から完璧な母親を目指します。
罪悪感の裏には「子供を幸せにしたい!」と愛情があるわけです。むしろ意識的には、その愛情の方しか感じてない場合もあります。
ですが、罪悪感は自分を罰する感情ですから、何をしても自分をダメ出ししてしまいます。
タイトルにもありますが、自分が次の恋愛へと進むことにも対抗が出る場合があります。
「こんなことをしたら子供が寂しがる」
「一人の女としてはもう生きてはいけない」
そうやって自分を縛りつけます。
「子供の為に」と思っていることかもしれませんが、別の角度から見れば子供を使って自分を抑えているわけです。
その葛藤から子供に過干渉、過保護になる場合もあります。子供に依存して、子供を依存させてしまいます。
子供からすれば母親に飲み込まれた感覚になります。自立するチャンスがなくなるのです。
仮面夫婦の場合も
離婚はしていないけど、夫婦関係が悪い場合も、母親が子供に依存する場合もあります。
夫婦として夫と関係性を構築していくエネルギーを、全部子供に向けてしまうからです。
母親に感情的に飲み込まれた感覚がすれば、子供は自立する為に強いエネルギーが必要になります。
完璧主義と依存の関係性
「完璧な母親ありたい!」
その思い自体は素晴らしいと思います。
ですが、完璧主義には罪悪感や無価値感が隠れていることがあります。
それらのネガティヴな感情は、実は執着と依存を生み出します。
「完璧でなければいけない!」「完璧である必要がある!」と。
子供と自分の価値をイコールに思い込んでしまいます。
シングルマザーの方は、周りに協力してもらう場面も増えていきます。
自分の母に子供の面倒を見てもらうことも、子供の体調によっては自分の仕事を抜け出す必要もあります。
その度に申し訳ない気持ちでいっぱいになったり、誰かに責められるような気持ちになったりすることもあります。
周りの人に責められると思うこともあれば、子供に責められると思うことも。
助けてもらう人や自分が愛している子供が、自分を責める人に変わってしまいます。
そこに強烈な孤独を感じることもあります。
罪悪感や無価値感から「完璧な母親にならなければ!」と思っていると、愛している存在(子供)を使って自分を責めてしまうのです。
誰にも理解されない弱音と葛藤
愛情ゆえに感じる罪悪感なのですが、「完璧でなければ!」と思うことで、弱音も本音も誰にも見せることができなくなる場合があります。
離婚したことで、恋愛に失敗感を感じて、自立に(男性性に)強いブーストがかかる場合もありますからね。より弱音を吐けません。
周りには「シングルマザーでも、何でもやってすごい!」って思われていても、心の中はボロボロのことがあります。
愛して欲しいし、助けて欲しいけど、それらを望むこともタブーのような気がして、孤独を抱えてしまうのです。
子供に安らぎと安心感を感じて欲しいのならば、母親も安らぎや安心感を受け取っていいんですよね。
母親が禁止していると、子供も受け取れなくなってしまいます。
ひとりでも何でもやり遂げる強いお母さんでもいいですが、周りの人に(精神的にも)助けられているお母さんを見せることは、子供にとっても大切なことなんですよね。
じゃないと、子供が大人になって苦しい時に誰にも頼れなくなってしまいます。
お母さんが自分の孤独を手放すことは、子供に孤独から抜け出す方法を教えることでもあるのです。
罪悪感が作り出すネガティヴな行動
さて、罪悪感はややこしい感情です。
罪悪感はさらなる罪悪感を重ねる性質があります。
万引きを繰り返す、嘘で嘘を塗り固める、八つ当たりを繰り返す。
本当はダメだと思っているのに、罪悪感はネガティヴな行動を繰り返してしまいます。
「完璧な母親にならなければ!」とその想いの裏に罪悪感が隠れていると、その罪悪感から「ネガティヴな行動をして、自分を責める」を繰り返すことがあります。
・子供に厳しくしすぎる。
・早く帰れてたのに、つい遅くなってしまった
・子供を放ったらかしにしてしまう
「完璧な母親でありたい!」と思っているのに逆の行動をしてしまうのです。
恋愛もダメにしてしまう
その罪悪感は子供に対して行動化するだけではありません。
恋愛にも影響している場合があります。
・あえて手のかかる男性を追いかける
・うまくいきそうになると自分で壊してしまう。
・いい人と思った瞬間に恋愛への興味をなくしてしまう。
自分の幸せを壊すというやり方で罪悪感を強化していきます。
また、男性性モードが強くなりすぎて、「相手を蹴散らしてしまう!」「いい男がどこにもいねぇじゃねか!」「誰も近寄ってくれない!」となる場合があります。
恋愛が罪悪感を緩める一つの鍵になることも
男性性モードになるのは離婚して傷付いたからでもあります。
過去の傷を癒して、男性性モード(自立の鎧)を脱ぐと決めることで、「完璧なお母さん」という偶像崇拝を手放せることがあります。
「完璧であること」よりも、「完璧ではない自分を受け入れること」です。
その背中を見せることが、子供の心を楽にすることでもあります。
恋愛をきっかけに女性性モードに少しずつ気持ちを切り替えることができます。
相手や状況をコントロールするのではなくて、受け入れていくこと。
それは女性性のエネルギーですからね。
それが出来るようになるまで、時間も必要ですし、トライアンドエラーも必要です。
でも、少しずつ男性性モードを緩めることが出来ていくと、子供との関係も変わっていきます。
もし恋愛をタブーにしているのであれば、それは「子供の為に!」ではなくて、自分が「もう傷つきたくない!」と自立の鎧を脱げなくなっているかもしれません。
許してあげたいし、愛してあげたいのは自分自身ではないでしょうか?
自立を緩めて、自分の心に自由になってみてください。
あなたが本当に欲しいものが見えてくると思います。
今週のお話会も、
「自分の心に素直になって、本当に手に入れたいものが見つめていく」
それが一つのテーマにもなってます。
桑野量の予約状況やカウンセリングのご利用は以下のボタンよりご確認ください。