「感情は感じることや誰かに話すことで癒えていく。」
そう聞いていたのに、この怒りは吐き出しても吐き出してもスッキリしないと思ったことはないでしょうか?
怒りを吐き出す場合に、本人に直接ぶつける場合と第三者に話を聞いてもらう場合があると思います。
今回の記事は第三者に話を聞いてもらっても消えない怒りの感情についてです。
目次
怒りがスッキリしない理由
その前に、まずは相手に直接怒りを吐き出してもスッキリしない理由について書いていきます。
相手に怒りの感情を吐き出してもスッキリすることは少ないと思います。
その怒りを相手が受け止めてくれないこともありますし、怒りを吐き出したことで罪悪感や依存心を増幅させてしまうからです。
私たちは相手に直接的に怒りを吐き出したことに対して、無意識に罪悪感を募らせてしまうことがあります。
そして罪悪感は罪悪感を紛らわすために、さらなる罪悪感を求めることがあります。
ちょっとややこしいですよね。
転んで膝を擦りむいてケガをした。
その痛みを感じさせないようにバッドで足のスネを叩く。
今度はバットで叩いた足のスネが痛い。
その痛みを感じないように思いっきり頬をビンタする。
小さな痛みをそれより大きな痛みで誤魔化すことをやってしまうのです。
つまり小さな罪悪感をそれより大きな罪悪感で誤魔化そうとして、永遠に繰り返してしまいます。
・感情を感じても全然スッキリしない。
・あの人はいつも怒ってばかりいるけど、それで癒されているように見えない。
そこには、このようなメカニズムが隠れていることがあります。
消えない怒りの理由は?
さて、本題に戻ります。
カウンセラーや友達に愚痴を聞いてもらってもその怒りがスッキリしないのはなぜでしょうか?
たくさんの怒りを我慢してきた。
それだけ長い間、怒りを我慢してきたのかもしれません。
少々吐き出したくらいでは、まだまだ怒りは消化されません。
しかし、この場合は、完全に0になってはいなくても、怒りが自分の中で少しずつ減っていくのは感じられると思います。
離婚を考えていた時は、ちょっとしたことでもムカついていたのに、今ではちょっと冷静に見れる自分がいる。
彼ともまだやり直せるかもしれないと思うようになってきた。
そんな風に日常での感じ方に変化が出てきます。
怒りの感情がダミーの可能性
例えば、寂しい時に寂しいと言えないので怒りの感情によって相手の意識を自分に向けようとすることがあります。
そのように怒りが別の感情のダミーとして使われることがあります。
怒りは感情の蓋と言われています。
本音を隠すためによく利用されてしまうのです。
上の例で言えば、本当は相手に怒っていないのに、寂しいと言えないので怒る必要があります。
わざわざイライラしていなければいけません。
相手の嫌な部分に目を向けて、そこを突かなければいけません。
この場合は、その怒りがダミーの感情かもしれないことを自分に問いかける必要があります。
この怒りがダミーだとしたら、私は本当は何を伝えたいのだろう?
そうやって自分に問いかける習慣をつけていきましょう。
相手への怒りは自分へのダメ出しの投影
ここが今日のメインテーマになります。
相手への怒りは、自分の認めたくない部分や自己嫌悪を投影しているだけかもしれないということです。
簡単に言えば、八つ当たりしているわけです。無意識なんですけどね。
自分では認めたくない嫌な部分がある。
でも、それをストレートに嫌いと感じることが出来ません。
すると相手への怒りとして表面化してしまうのです。
隠した自己嫌悪が怒りに変わる
例えば、あなたが仕事が終わった後に、つい家でダラダラと過ごしてしまうことに自己嫌悪を感じているとします。
でも、その自己嫌悪は無意識に隠している。感じることが出来ないわけです。
あなたの家に遊びにきた彼氏がダラダラと過ごしているのを見ると
「あなたいつも私の家でダラダラ過ごして!何様のつもりよ!」と怒ってしまいます。
自分の中にある無意識の自己嫌悪を怒りに変換して相手にぶつけてしまうのです。
この怒りは相手にぶつけても消えることはありませんし、彼氏への不満を誰かに話しても癒えることはありません。
そもそもが自分に対する無意識に隠していた自己嫌悪だからです。
自己嫌悪を認めると楽になる
まずは、そのような自己嫌悪があるということを認めていくことです。
仕事終わりにダラダラ過ごしてしまう自分を無理に好きになろうと思わなくてもいいです。
自己嫌悪は無理に好きになろうとすると苦しくなることがあります。
そもそも感じることが嫌なので、心の無意識の層に隠していたわけですからね。
そんなに刺激の強い自己嫌悪を急に好きになろうとしなくて大丈夫です。
嫌いなピーマンも、無理して食べようとすると苦しくなりますよね。
「自分にはそうゆう部分があるな〜」と、
ちょっと俯瞰する練習をしていくことです。
ピーマンも食べる必要がなければ八百屋においてあるのを見ても、嫌な気分にはなりませんよね。
過剰に反応しすぎる必要はありません。
怒りの本質を見極めていく。
吐き出しても吐き出してもスッキリしない怒りについて説明してきました。
お風呂やシンクを掃除する時のように、その汚れの性質に合わせて洗剤を変えたり、磨き方を変えたりする必要があります。
「怒り」として一括りにしてしまうと、その本質が見えなくなることがあります。
磨いても磨いても落ちない汚れがある場合は、まったく違うアプローチを試す必要があるように、吐き出しても吐き出しても消えない怒りには、それまでと違ったアプローチが必要になっていきます。
無理やりに汚れを落とそうとして、汚れが広がってしまうように、
怒りも合っていないやり方で対処するとますます怒りが増大することがあります。
まずは、その怒りの本質はどこにあるのか?見極めていくことが大切です。
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