隠した怒りが引き起こすもの
怒りを表現することを禁止、または怒りを感じること自体を禁止してしまうことがあります。
それは優しさかもしれませんし、育ってきた環境に理由があるかもしれません。
心のメカニズムには「受動攻撃」というものがあります。
怒りを直接的に表現出来ない人は、あえて目の前の人を困らしてイライラさせることがあります。
あえて失敗したり、頼まれていたことを忘れたり、些細なことに時間をかけたりと。
このわざと相手を困らせる行動の一つに性的な関係を拒否することがあります。
「疲れている」「忙しい」などの理由の裏側には、受動的攻撃が隠れていることがあります。
受動攻撃がセックスレスにつながるケース
例えばですね。
夫が妻に対して何らかの不満を抱えているとします。でも、夫はその不満の理由や怒りを表現しません。
すると、無意識に受動攻撃を発動させます。
妻をイライラさせることをしてしまうのです。
便座に座ってトイレしない、晩酌をした後のコップを片付けない、買い物の約束をしている前日に夜遅くまで飲み歩くなどなど。
妻は夫のその行動にイライラして怒りをぶつけるかもしれません。しかし、夫は自分の怒りを表現せずに隠したままです。
常に怒っている妻
と
常に怒られている夫
という構図が出来上がります。
でも、実は表現しないだけで常に怒られている夫も隠れてめっちゃ怒っているのです。
そして、夫が繰り広げる受動攻撃の一つとしてセックスレスを発動します。
妻は女性としてもう見てもらえない無価値感を感じてしまいます。
(これは妻と夫を入れ替えたパターンもあります。怒りを抑圧する妻が受動攻撃を仕掛けて、夫が無価値感を感じる。常に怒っている夫と常に怒られている妻)
セックスがお互いに普段できないコミュニケーションの代わりに取引手段となってしまっているのです。
夫婦生活(恋人生活)が長いと、セックスを愛を伝えあうコミュニケーションではなくて、隠れた不平不満を伝える取引に使ってしまうんですよね。
解決の糸口は
常に怒っている妻(夫)
と
常に怒られている夫(妻)
どうやって解決していけばいいのでしょうか。
(1)あなたが常に怒っている妻(夫)ならば、まずはその怒りは相手の受動攻撃によるものだと気付いてくださいね。
怒りのトラップを仕掛けられて、わざわざハマってしまっています。
そのトラップを避けて、相手が直接的な感情をコミュニケーション出来るような状況を作っていくことです。
あなたが怒りを表現すればするほど、相手は怒りを隠して受動攻撃を繰り返していくので、トラップには注意です。
(2)あなたが常に怒られている夫(妻)ならば、まずは隠した怒りを感じることから始めましょう。
自分で怒りを認識できていればいいのですが。
受動攻撃を繰り返してしまうパターンを持っている人の多くは自分の怒りを認識し言語化することが苦手です。
まずは、相手に表現しなくていいので、自分の怒りを自覚してその怒りの理由や原因を言葉にする練習をしてみましょう。
自分の中で言葉に出来るようになってから、それを怒りのエネルギーでぶつけるのではなくて、理解し合いたいというエネルギーで相手に表現していきます。
表現出来るようになれば受動攻撃も減っていきます。
(1)(2)とそれぞれの側からみていきました。
受動攻撃が減っていくとセックスを不平不満の取引材料しなくていいようになります。
セックスレスをカウンセリングで扱うこともあります。
この隠れた怒り、不平不満をどのように消化して、コミュニケーションするか?
それが一つ大きなポイントになります。
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