自分の本音を我慢する癖がある人は、本音を伝えることが最終手段になることがあります。
例えば恋愛で、ずっと我慢して相手に合わせてきたけど、ついに我慢の限界が来て、別れ話をする時になってやっと本音が口から出てくることがあります。
長年連れ添った夫婦でも離婚の時になって、やっと妻(夫)の本音を知って後悔するなんてこともあります。
でも、最後の通告ではなくて、もっと普段から、普段から言えなくても別れを決意する前から少しでも本音を言うことができれば、2人の関係の結末は変わっていたかもしれません。
最後にしか本音を言えない理由
なぜ、最後の最後まで我慢してしまうのでしょうか。
もちろん、何度も本音を伝える努力をしても相手に受け取ってもらえなかったこともあるでしょう。また、自分では本音を伝えているつもりでも、うまく言葉にできなかったかもしれません。
本音を伝えることに慣れていない人にとって、本音を言うために乗り越える壁はとても高いんですよね。だから、それだけエネルギーがかかります。
そのエネルギーの原料となるのが、「怒り」のケースが多々あります。
火事場のバカ力と言ってもいいかもしれません。
沸騰したお湯がお鍋の蓋をぐらぐらを揺らすように、心の中に溜まっていた怒りがグラグラと本音を抑えていた壁を壊していくのです。
だから、最後の通告として「これだけ我慢していたの!もうあなたとはやってられない!」という伝え方になってしまいます。
本音を言った後の困惑
せっかく本音を言ったのだから、その後に今までできなかったより深いコミュニケーションをして2人の関係性を再生させていることもできますよね。
でも、ずっと本音を我慢してきた人は、本音を言った経験も少ないので、本音を言った後にどうやってコミュニケーションすればいいか分かりません。
「本音をずっと我慢する」→「我慢できなくて爆発する」→「どうしていいか分からない」→「本音にまた蓋をする」
このようなサイクルに戻っていくことがあります。
怒りのエネルギーで本音をぶつけても、それ以降のコミュニケーションをどうすればいいか分からないから「もういい!あとは勝手にして!」と、相手との交流を絶ってしまいます。
本音を言った後に「その関係が続くこと」「それまでの関係ではない絆を構築していくこと」そのイメージがないんですよね。
本音は一方的にぶつけられるもの?
このようなパターンを持っている人は、幼少の頃に母親(父親)に一方的に感情と言いたいことをぶつけられてきたかもしれません。
「あんた可愛くないのよ!」
「お母さんの言うことを聞いてたらいいの!」
コミュニケーションが「対等な対話」ではなくて、「一方通行の宣告」だったかもしれません。
「本音をいつでも言える人」は好き勝手に生きて、「本音を我慢する側」は気を使って生きていく。
そんなイメージが深層心理に書き込まれていきます。
「本音をいつでも言える人」と「本音を我慢する側」のパワーバランスはいつだって100対0なんです。
だから、自分も本音を伝えた後は、今度は相手を我慢させる側になるか?自分が我慢する側になるしかない!。
せっかく本音を伝えた後でも、対等なコミュニケーションの仕方がわからないんですよね。
本音の後に安心感を
本音を言うことは、関係性の終わりではなくて、始まりなんですよね。
でも、ずっと我慢するか?我慢させるか?の二極化の関係しかなければ、対等なコミュニケーションの方法が分かりません。
カウンセリングでやっていることは、対等なコミュニケーションの練習でもあります。
最初は緊張もするし、気を使うと思います。当たり障りのない会話しかできないかもしれない。
少しずつ話していく中で、今まで誰にも言わなかった本音を言ってみる。ずっと我慢してきた気持ちを吐き出してみる。
恥ずかしいし、こんな話をしてよかったかな?と迷うかもしれない。
でも、カウンセリング一方的に終わることはありません。
気持ちを吐き出して、受け止めてくれて、それからまたキャッチボールが始まっていく。
それまでの一方的な会話ではなくて、本音を言った後にも続いていくコミュニケーションがそこにあります。
ぜひ、その経験を体感してほしいなと思ってカウンセリングをやってます。
本音を伝えた後に破綻するしかないと思っていたイメージを、本音を伝えてから心地よい関係になれるイメージへと塗り替えていきましょう。
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