「感謝すること」と「相手のわがままを聞くこと」は違うんですよね。
何それ?そんなこと当たり前じゃん!と思う方もいるかもしれません。
でも、私たちは「〇〇してくれたから◇◇くらいは我慢しないと」と優しさや思いやりのつもりが、その想いに引っ張られて心地よくない人間関係に縛られることがあります。
これを少し応用させた形がこんな感じです。
「こんな私を選んでくれるのは彼しかいないから、嫌なことでも我慢してあげた方がいいよね」と彼のわがままに散々付き合ってあげる
「どんな酷い言葉をかけられても、育ててくれたのはお母さんだから、、、」と親離れできない。
こんな私でも「友達だよね」と言ってくれるから、嫌なことでもNOと言えない!
「選んでくれたのは〜」「育ててくれたのは〜」「友達でいてくれるのは〜」を感謝の言葉にすれば、「選んでくれてありがとう!」「育ててくれてありがとう!」「友達いてくれてありがとう!」という感じですね。
その気持ちが悪いわけじゃありません。
でも、ちょっと違う角度から見れば、相手の無理難題の要求を「感謝」という言葉で無理やり我慢しているだけかもしれません。
極端に表現すれば「〇〇くらいしてやったんだから、これくらい我慢しろよ!」みたいに、感謝の気持ちを人質に取られて心の自由を失くしている状況です。
この状況は非常に苦しいんですよね。
「自分は〇〇してもらったのに、これくらいで嫌に思うのは薄情じゃないのかな?」
「ここでNOと言ったら、私はもう大切にしてもらえないかもしれない!」
「どんなに辛くても、私の居場所はここにしかないから我慢しなきゃ」
「感謝できない私はなんて心の小さな人間なんだ」
優しい人ほど、さらに自分を追い込む言葉を脳内で再生していきます。
誰かの為に何かすることは自分の喜びではなくて、義務や責任にようになって、心を重くさせていきます。
苦しいけれど、状況を変えられない
本当はその状況や関係が苦しいけど、それを受け入れ続けることを選ぶことがあります。
「これくらい当たり前」「これが普通」「これくらいできないと」と。
また、相手に悪気がない場合も多いからです。
「あの人は本当は悪い人じゃないから、、、」
「〇〇の部分はいい人だから、、、」と。
あなたが愛した人かもしれないし、あなたが大切に思う人かもしれません。だから、きっといい部分も見えるでしょうね。
でも、いい部分があるからといって、自分の心を縛る関係を維持する必要はないでのです。人間関係はお互い様ですから、迷惑をかけることも、助け合うこともあります。
ただ自分の心を窮屈にさせる関係は、いつしかその窮屈さに耐えられなくなります。相手との関係がネガティヴな形で破綻するか、心が壊れていきます。
その状況から抜け出せない理由は?
1つは自己肯定感が影響しています。
自己肯定感の低さから「相手の要求を全て受け入れなければ!」と思ってしまい、それを正当化するように「あの人は〇〇してくれたから」と自分に言い聞かせている状態ですね。
本当は怒っているし、悔しさを抱えているかもしれません。
「なんでこんな扱いをされなきゃいけないの!?」と。
でも、そうやって反発する気力もないし、表現する選択肢も分からないかもしれません。ある意味、自分を慰めるために「あの人は〇〇してくれたから」と感謝の気持ちを絞り出して、少しでも気を紛らわせようとします。
自分の力を弱く小さいと誤解する
2つ目はそうやって相手のコントロールされる状況が小さい頃から多かったのかもしれません。
「ここまで育ててやったんだから、、、」
「この間、〇〇してあげたよね?」
「これしてあげるから、〇〇してくれるでしょ!?」と
相手に悪気がない場合もあるかもしれませんが、いわゆる【優しさの搾取】によって、相手の都合にいいようにコントロールされる経験が多くて、それが習慣化している場合があります。
心理学的に解説すれば、相手の依存(ニーズ)を引き受けているわけです。
そのニーズを引き受けることに心理的にも、肉体的にもエネルギーが消耗します。
また、相手によっては上から(マウント)ものを言ってくるので、「自分は何も決断できない!自分には力がない!」と思い込んでしまいます。
それが原因で、心地よくない関係を抜け出す気力もないし、他の選択肢を取る余裕も無くなっていることがあります。
線引きを少しずつ濃くする
それぞれの理由が影響しながらも、不愉快な状態が続いていきます。
相手の要求と自分の意思がごちゃごちゃになって、自分でも何をしたいか?分からなくなっているかもしれません。
大切なことは、そこにきちんと線を引くことです。
【相手の要求=すぐに引き受ける】
そのパターンを整理していきましょう。
・相手が望んでいることは、本当に自分がしたいことなのか?
・自分がしたくないと思っているなら、なぜその要求を満たそうとするのか?
・その要求を満たさなければどんなことが起こると思っているのか?
そんな風に「相手の要求」と「自分の意思」にちゃんと線を引いていく。
すぐに相手の要求にNOと言えないかもしれません。でも、最初はこの線が薄かったのが、だんだんと濃い線になっていくにつれて、NOを言える勇気も備わっていきます。
どんな大切な相手でも境界線はきちっと引くことが大事になります。
相手の都合にいいような関係に縛られて、いつまで自分の人生を消費していたら?
自分のやりたいことをずっと後回しにしていたら?
少しずつ勇気を出して、自分を守るために線引きをしていきましょう。
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