想いを言葉にすることに何時間もかかることがあります。
時間がかかることで「苦手意識」を強くして、自分を責めることもあるかもしれません。「なんでこんなことも簡単にできないんだろう」と。
でもね。想いを言葉にすることに時間をかけることは何も悪いことではありません。
カウンセラーとして駆け出しの頃はSNSで140文字の発信をするだけでも、何時間もかけて下書きを書き直す作業を繰り返してました。
「ただツイートするだけでこんなにも時間と精神力を使うなんて、、、」
とてもコスパが悪いように思えたし、それだけかけて反応が少ないことで自分には才能がないと落ち込んだこともありました。
でも、今ではそのコスパの悪い作業が自分を作ってくれたように思います。
カウンセリングはナマモノです。予め用意していた言葉は通用しないことは多々あります。どんなに素敵な言葉を並べても、それは借り物の言葉であり、その瞬間に生きた言葉にはならないからです。
その瞬間の言葉を紡ぎ出せるのは、コスパが悪くて無駄だと思っていた時間のおかけだと思ってます。その時間が言葉を紡ぎ出せる下地を作ってくれました。
僕のカウンセリングは自分の気持ちを言葉にすることが苦手な人もやってきます。
カウンセリングを受ける前から相談内容を何時間もかけて紙に書き出してくれる方や好きな人の前では頭が真っ白になって何も言えなくなる方、気持ちが溢れているけど言葉にしようとすると感情が止まってしまう方、本当にいろんな方がカウンセリングを利用してくれます。
一緒に少しずつ想いを言葉にする練習を繰り返してきます。
自分の気持ちに気付くことから始めることもあれば、思い込んでいた気持ちの裏側に隠れている想いを引き出すこともあります。
また言葉にすることで抜けてしまった感情をちゃんと大切に言葉にすることもあります。
どれも教科書で決められたような答えはありません。だから、時間もかかるし、時によっては投げ出したくなることもあります。
「いつまでも自分と向き合っても、何も変わらない!」
そんな気持ちになってしまうこともあるでしょう。
でもね、僕は諦めずにいつまでも付き合っていきたいと思ってます。
途方もないと思えた道のりも、「何も変わってない!」「こんなことをしても無駄だ!」という時間が歩みを進めていることを知っているからです。
多くの人は「自分の気持ちを受け止めて欲しかった!」と、その寂しさと怒りを抱えています。それは親に受け止めて欲しかったかもしれないし、恋人に受け止めて欲しかったかもしれない。
では、自分でも自分の気持ちはちゃんと受け取っているでしょうか?
相手に伝えるために言葉を紡ぎ出すときに、私たちは自分の気持ちをまずは自分で受け止めているんですよね。
何時間もかけて言葉を紡ぎ出すことは、それまで誰にも受け止めてもらえなかった気持ちを時間をかけて、自分が受け取ろうとしているのです。
その時間こそが「癒し」とも呼べるし、「幸福」とも呼べるかもしれません。
その時間をすぐにそう思えないかもしれないけど、大丈夫です。
きっといつか必ず無駄と思っていた時間の意味を知る時はやってきますからね。
桑野量の予約状況やカウンセリングのご利用は以下のボタンよりご確認ください。