心理学における「手放し」の本当の意味は、
相手やモノを手放すのではなくて、今までの自分を手放すことなんですよね。
ちょっと分かりづらいことですが、
今までの自分を手放して新しい自分に生まれ変わることなんです。
しかし、私たちはどうしても目の前のものにサヨナラすることばかりに意識がいってしまいます。
エゴが囁くわけです。
「目の前にあるものを手放したら、二度と手に入らないぞ」と。
この感覚があると「手放し」はうまくいきません。
自分が何かを失って後悔するだけのような気がしてしまいますからね。
手放しの真髄である「新しい自分に生まれ変わる」ということがイメージできませんからね。
現状、あなたが直面している問題で「手放し」がキーワードとして頭に浮かんでいる時は、あなたが生まれ変わるタイミングに来ていることを教えてくれています。
失恋や転職をきっかけに
「あの出来事のおかげで私の人生は大きく変わりました」とおっしゃる方がいます。
「手放し」が本当に何かを失うだけならば、このような気持ちにはならないと思います。
表面的には目に見える何か(好きだった相手や職場)を手放しているように見えて、新しい何かをたくさん得ることが出来るのです。
目の前に見えているモノ(相手)を手放しているように見えて
今までのやり方や考え方
ずっと抱えていた思い込み
新しいことにチャレンジする不安
それまでの時間を許せずに後悔していること
自分を責めている気持ち
を手放しているんですよね。
あなたが目の前の相手や物を手放せないと感じているときは、
本当はそれらの気持ちや思いに整理がついていないから手放せないんですよね。
例えば、
私がもっと〇〇していたら彼とうまくいっていたかなという後悔
新しい職場で上手くいくだろうかという不安
これまで上手くいかなかったから、また上手くいかないだろうと自分を責めている気持ち
それらの気持ちに整理がつかないので、目の前のモノ(相手)に執着してくっついてしまうのです。
執着しているのはモノ(相手)ではなくて、実は自分の中にあるそれらの気持ちなんですよね。
手放ししたいけど、それが出来ない膠着状態ではエゴの声が大きくなります。
エゴの声はあたかも正しいことかのようにあなたを囁いてきます。
これだけ時間をかけてきたのだから手放すのはもったいない!
今手放したら今までの時間はなんだったのか?
こんなに苦労しても彼を愛せるのは私しかいない。
この会社には私がいなければいけない
彼に私しかいない
どれも真実のように思えるかもしれません。
では、エゴの声と真実の声はどうやって見極めるのでしょうか?
それはエゴの声を聞いているときは勇気を必要としません。一見正しい選択をしているように思えますが、あなたの心は疲弊していきます。どんどん心が疲弊していき、そのダメージが溜まって大きくなっていきます。
真実の声を聞くときは、それと反対のことが起こります。
すごく勇気がいて、決断をした時に非常に大きな痛みを感じることがあります。しかし、その痛みはそれから少しずつ和らいでいきます。
エゴの声はじっくりと少しずつあなたの心を疲れさせていくのに対して、
真実の声は始めはあなたに痛みを伴うかもしれませんがゆっくりと心は回復していきます。
何かを決断する時に「一番怖いことにチャレンジしてみよう!」と言われることがあります。
本などにも書かれていることがあるかもしれませんね。
それは「一番勇気がいることをやればそれが真実の声だよ」ということなのです。
まったく知らない国に旅立つように
未知の世界に踏み出す時に私たちはとても勇気がいります。
しかし、まったく知らない土地に出かけていくから新しく得るものも大きいのです。
近所のコンビニに行くのとは違いますからね。
私たちは自分が想像できる未来イメージを飛び出して、まったく想像も出来ない道を進むことが必要な時があります。
それが自分を大きく変えることであり、成長させてくれるものであるからです。
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