「目標に向けて頑張るけど、捉われない」
一見矛盾しているようだけど、仕事も、恋愛も、何か目標に向かっていくときに、このことが大切のように思います。
「遠山の目付け」
武道には、「遠山の目付け」なる言葉があります。
例えば、相手のパンチを避けようとして、相手の拳ばかりを集中して見ていたら、下からキックが飛んでくるかもしれません。
相手の拳に意識を集中させすぎて、相手の足元が見えてなくなりますよね。
相手と対峙する時は、一点の集中することなく全体を見ることが大切です。
集中しているけど、リラックスして、全体を見れるようになる。
それはまるで遠くの山を眺めるような感覚です。
初心者のうちは、どうしても緊張して視野が狭くなりますし、身体に力が入るので、分かっているけど、これがなかなか難しいです。
不安に捉われてない！？
私たちの日常に、「遠山の目付」という言葉を落とし込むとするなら。
「目標に向けて頑張っているけど、それに捉われている時は、他に見えてないものがあるかもしれない。」と言い換えることができるかもしれません。
武道の時もそうですが、意識が一点に集中することは素晴らしいことのようにも思えますが、その心理には不安や緊張が隠れていることがあります。
先の例で言えば、不安だから相手のパンチを警戒しすぎて、相手の拳に集中して、相手の全体像を見れなくなっています。
自らが不安に捉われていることにも気が付かないかもしれません。
夢や目標を追いかける時も、同じではないでしょうか？
喜びや幸せの為に目標に向かって突き進む。
だけど、その裏側に不安や迷いもあります。
目標ばかりを見て一点に集中している時は、実は自分の中にある不安や緊張に捉われているかもしれません。
努力すればするほど、焦りを感じる。焦りを感じても何をしたらいいか分からない。
そんなスパイラルの中で、精神も、体力も消耗させてないですか。
自分を満たしてくれるものはあるか
夢や目標を追いかけることは悪いことではありません。
時には自分の限界を超えるような、それまでの殻を破るようなチャレンジも必要です。
ですが、気持ちが溢れすぎて視野が狭くなっていれば、見落とすものがあるかもしれないし、余計な力を使いすぎているかもしれません。
「視野が狭くなっているのか、気合が高まって集中しているのか」
自分では判断することが難しい場合があるんですよね。不安や緊張は巧みに私たちの心を操ってしまうのです。
武道における「集中しているけど、リラックスしている状態」は、夢や目標に向かって努力しているけど、楽しめている状態と言い換えることができます。
楽しむってのは、キラキラとした感覚でもいいですが、何か自分を満たしてくれるものがある感覚に近いと思ってます。
時には限界を超えてチャレンジする必要がありますからね。しんどいけど、そこに充実している「何か」があることで、満たされていくものがあります。ただ自分を消耗させるだけではありません。
結果や目標に捉われて、その過程に消耗しかないのなら、何かネガティヴな感情に捉われいるかもしれません。
目標に捉われてしまうことで、
例えば、恋愛では「彼のために〇〇し続けなければいけませんか！？」と疲弊した顔で訴えてくる方がいます。
彼との恋愛がうまくいくことが、その人の目標ではあるとは思いますが。
これは不安や寂しさに捉われて、恋愛成就の目標に捉われて、その過程を楽しめなくなってますよね。恋愛の過程だけではなくて、自分のプライベートな時間や生活まで浸食されているかもしれません。
例えば、仕事ではある数字に捉われて、他の尺度で達成を受け取れていないことがあります。
「今月の売り上げ目標〇〇万円」
そこを目指すことも大切ですが、その目標に捉われて、ひとりひとりのお客様の気持ちを受け取れていないしれません。目標が達成できなくても、受け取れるものがあることを、目標に捉われすぎていると見えてきません。
自分の道を見つけていく
僕のカウンセリングでは、「今、どんなことが楽しいですか？」「彼のどんなところが好きですか？」「今、それをやっていて楽しいですか？」と。
「前回も聞いたのに、今回も聞くのかよ！」と思われても、何度も聞くことがあります。
それは目標に捉われて見えなくなったものを、意識化させるようにしているからです。
小さくなった視野を広げようと。
もし何かに努力して、ただ消耗して、心も体も限界を感じているならば、少し自分の気持ちを振り返り整理する時間が必要かもしれません。
「何の喜びの為にしているのか？」「どんな人生を歩みたいのか？」「何が好きなのか？」
当たり前のような質問に一つ一つ丁寧に向き合って見てください。
自分の心に中にある初期衝動とも言える喜びの種のようなものが見えた時に、恐れや緊張に支配されて見失っていた「自分らしさ」や「自分の道」を見つけられると思います。
※最後に告知になってしまいますが、その小さな喜びの種に触れることが、7月26日のお話会の目的でもあるんですよね。
「目標や数字に捉われて、大切なものを見失ってない？」と。
何か頑張っているけど、満たされずに、不足感と消耗を感じているならば、ぜひ参加してみてくださいね！
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