カウンセリングをしていく中で一つのテーマになるのが「後悔」です。
恋愛でも、仕事でも、「もっとあの時に〇〇しておけば!」と、自分がちゃんと向き合わなかったことを後悔されます。本当は、その時、その時で一生懸命に向き合っているんですけどね。
「上手くいかなかった」「期待して結果にならなかった」「なんだか今の人生が面白くない」様々な想いから過去を後悔してしまいます。
後悔の奴隷
過去の後悔が新しい未来を切り開く原動力になればいいのですが。
カウンセリングに相談にやってこられる方は、後悔が原動力ではなくて、自分を縛る鎖になっている場合が多くあります。
「今度こそはちゃんとしたい!」「もうチャンスを逃したくない!」と。
そう思っているんだけど、一歩踏み出すことが怖くなってしまいます。
一歩踏み出せずに踏みとどまっている自分を責めて、時間が過ぎていき、またそれが後悔の上乗せになる例も少なくありません。
後悔することは悪いことではありません。
しかし、私たちは後悔の奴隷になる必要もありません。
鎖を断ち切るのは
後悔の鎖を断ち切るのは、強さでしょうか?優しさでしょうか?
後悔の鎖を引きちぎるくらい未来に向かって突き進む強さがあればいいのかもしれませんし、過去を責めている自分を許す優しさがあれば鎖を外すことができるかもしれません。
優しさも強さも後悔の鎖を外すことに役に立ちます。
でも、カウンセリングをしていて感じることは、人は後悔している時は「ひとりぼっち」だということです。後悔と同時に孤独も感じているのです。
パートナーがいても、友人がいても、家族がいても、後悔を感じている瞬間は孤独なんですよね。自分を責めている状態ですからね。自分しか見えてない。
誰もいない部屋で自分に鞭を打ち続けるような孤独がそこにあるわけです。
孤独に光を当てる
孤独なことも悪いわけではありません。
孤独が自分を強くすることもありますし、ひとりで自分と向き合う時間も必要でしょう。
孤独から抜け出したいのに抜け出せない時に、「あの時に〇〇すればよかったかも」と後悔の念を強くします。孤独から自分を救い出すことができないから、「もし(if)」という妄想の中に救いを見出そうとするのです。
後悔が孤独を生み出し、孤独が後悔を生み出すのです。
僕がカウンセリングでやっていることは、ひとりぼっちで自分を責めている部屋に入っていてあげることです。
後悔する気持ちと、そこから抜け出したい気持ちで葛藤している心をひとりにしないことです。
「後悔するなよ!」「後悔しても仕方ない」
そんな言葉をかけても、それは孤独を強くさせる言葉かもしれません。
大切なことは後悔をすぐに手放すことではなくて、後悔が生み出す孤独の暗闇に光を当ててあげることです。
「もう一人になる必要はないよ。」と、そばにいてあげることです。
世界には光が灯されてる
私たちは生きていれば無数の後悔に出会います。
そして、それは無数の孤独にも出会うことかもしれません。
でも、それは悲劇的なことではなくて、その孤独を照らしてくれる無数の光にも出会えます。
後悔を打ち砕くために強くなることも、自分を許すために優しくなることも必要かもしれません。でも、それでも後悔の鎖から抜け出せない時は、孤独の闇を照らす光を求めてください。
1冊の本の文章の中に光を見つけるかもしれない。
誰かの背中に光を見つけるかもしれない。
世界にはたくさんの光が灯されてます。
孤独を照らす光に出会えますように。
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