「自分の心と向き合ってみてください」という文章で締めくくることがあります。
大切なことなんだけど、この言い方は「投げっぱなし」だと思うことがあって。
「それが自分で出来たら苦労しないぜ!」
「自分の心と向き合っているけど、分からないぜ!」
そう思われる方も少なくないと思います。
僕としてはそれならカウンセリングに来てほしい気持ちもあるのだけれども、いつでも好きなタイミングでカウンセリングを受けられるわけでもないから。
今日はちょっと自分と向き合うためにヒントになる本を紹介します。
さみしい夜にはペンを持て
古賀史健さんの「さみしい夜にはペンを持て」です。
これは読みたいと思っていたのをプレゼントされた本なんですよね。
学校で嫌なことがあった主人公のタコジローがヤドカリのおじさんに出会って、日記の書き方を学びます。
文章を書くにはどうしたらいいのか?
書くことでどんな変化あるのか?
そもそも日記をどう書けばいいの?
今さら誰かに聞けないような質問から日記を書くこと、気持ちを言葉にすることの意味と価値を学んでいけます。
それがとても読みやすくで勉強、勉強していないところがとてもいい。
タコジローを応援しながら読み進めるうちに、自分でも日記を書いてみようかなという気持ちになると思います。
書くことで気がつくことがある。
カウンセリングでは「話せるようになることで、そこにあった痛みを放せる」と言われることがあります。
ずっと1人でぐるぐる考えていても、何も変わらなかったことが、安心できる場所で安心できる相手に話すことで、心が少し変わってくるんですよね。
書くことにも同じ効果があります。
何を書くのか?どこから書こうか?どんな言葉で書こうか?
書くことは少しめんどくさくて煩わしいかもしれません。
でも、その少しめんどくさい作業が自分の気持ちを整理する作業でもあります。
「つらい!しんどい!しんどい!」と思っていたことを書いてみる。
最初は「〇〇があってしんどい!」と書いてみる。
でも、その文章を見ていると、少し違う感覚が出てくる。
「〇〇があって悲しかった」
さっきよりも自分の心の状態に近いような気がする。
心が押し潰されるような感覚を「つらい!しんどい!」と思っていたけど、本当は悲しかったと気が付けるようになる。
「じゃぁ、なんでこんなにも悲しんだろうか」
そうやって自分に質問してみる。
「分からない。でも悲しい、悲しいと思ったら、すごく悲しい気持ちになった」
悲しさの正体はすぐには分からないかもしれないけど、「本当はどれくらい悲しかったのか」気が付けるようになる。
書くことで、ずっと心の奥底に埋もれていた気持ちを救えることがあります。
書くことはゆっくりとしたキャッチボール
書くことは、話すことよりも時間がかかります。
なんとなく思っていたことを、言葉に当てはめて文章にすることに時間もかかります。
でも、そのゆっくりとしたペースだからこそ気が付けることがあります。
誰かと話すときは相手の受け止め方を気にするし、「なんて返事されるのか?」気になって、自分の言葉を言えないこともあります。
文書を書くことは、そこに自分しかいません。
自分しかいないけど「こんな言葉を書きたくない」「カッコつけて書いてる」「なんか気持ち悪い」といろいろな気持ちが出てくるかもしれません。
どれだけ自分の気持ちを言葉にすることに、抵抗やブロックがあるのか気が付くと思います。
ゆっくりでいいので、キャッチボールを始めてみてください。
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