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勝ち負けに執着して、幸せを逃してない?

カウンセリングでお話を聞いていると、人生を変えたいのに何か変化を起こそうとすると「負けた気がする、、、」と抵抗が起きる場合があります。

たとえば、

・恋活に本気になると決めたのに、異性に自分の気持ちを素直に表現しようとすると、なんか負けたくない気持ちが出てくる。

・会社で孤立感を感じて、他の同僚みたいに和やかに周りと打ち解けたいのに、その同僚がやっているコミュニケーションを取り入れることはプライドがギザギザに刻まれる感じがする。

・母親を許すことは自分が間違っていたと認めることで、それだけは絶対にしたくない!私が損した気分になる!

人生を変えたい気持ちはあるのに、「勝ち負けが、、、」「プライドが、、、」「私だけ損した気分に、、、」と、その気持ちが邪魔して行動に移せません。

勝負に勝っても満たされない

冒頭に書いた気持ちが分かる人も多いのではないしょうか。

人生は何も勝負ではないのですが、損得や勝ち負け、優位性みたいなものを基準に考えてしまうことがあります。

ビジネスやスポーツの世界などでは、その考え方が大切になることもありますが、心の世界ではネガティヴに働くこともがあります。

たとえ、何かしらの勝負に勝ったとしても、実は心が満たされていないのです。

そもそも、心が満たされていたら「変わりたい!」と思いませんからね。

・あの人は周りにチヤホヤされているかもしれないけど、私の方が仕事が出来るから。

・母親は何もできないくせに、甘えてばかりで周りに文句言って。でも、私は誰にも頼らずに自分で稼ぐことが出来るから。

・なんで相手の予定に合わせてデートのスケジュール予定しなきゃいけないの!?私に合わせなさいよ

これらの考えが間違っているとか、正しいとかはないです。

でも、勝ち負けにこだわっている時に「心は幸せを感じてますか?」と言われたら、それはないと思うんですよね。

むしろ、怒りや嫉妬、無価値感が刺激されて、余計にネガティヴな気持ちが充満していくのではないでしょうか?

なぜ、勝ち負けにこだわるのか?

「これが私」というアイデンティティでもあり、心の防衛反応でもあるからです。

たとえば、兄弟がいて兄はスポーツができることで親から評価されていた。

自分はスポーツでは兄に勝てないから、兄より勉強をすることで自分の存在をアピールして、親からの評価を勝ち取っていた。

親からの評価を得ることでは成功していますが、「本当に勉強が好きか?」は分からない。親の評価を得るために我慢して勉強していた可能性もあります。

もし勉強が苦しくなって辞めてしまえば、勉強もできない!スポーツもできない!何も価値のない自分になってしまう。だから、辛くても嫌でも必死に頑張り続けてしまいます。

兄は好きなスポーツをやって認められる。私は嫌な勉強を必死にやって、やっと親から認められる。

自分の存在をアピールするために、他者(この場合は兄ですね)より優れたものを持っておく必要があるし、嫌なことでも我慢してできることを証明し続けるのです。

負けること(他者よりも劣ること)は自分の存在価値を手放すことに等しいんですよね。

だから、自分が苦しくて嫌でも負けることが嫌なのです。

それが幸せの為に必要なことであっても、自分の存在価値がなくなる恐れが強くてできないのです。

正しさの証明に利用するケース

もう一つ別の例を見ていきましょう。

私たちは「自分を正当化するために」又は、「相手を批判し続けるために」不毛な競争や比較をすることがあります。

たとえば、母親すごく感情的に人生をコントロールされた過去があるとします。

何かしても怒られるし、何もしてなくても怒られる。母親の機嫌が絶対でいつも母親の顔色を伺って生きてきた。

「あんな母親みたいになりたくない!!」

こんな私を苦しめる母親が間違っている!そこで母親が持っている要素を自分から排除していきます。

人に迷惑をかけないこと。

感情的にならないこと。

自分の気持ちを表現しないこと。

もしこの要素を一つでも持ってしまえば、あの母親のようになるかもしれない。それは母親を自分の中に認めるようで、絶対に嫌だ!!

確かに「母親にようにならない!」点では成功しているかもしれません。

でも、だからといって幸せとは限らないのです。

人に迷惑をかけないこと。

感情的にならないこと。

自分の気持ちを表現しないこと。

これらを守っていると。

人に甘えられないし、弱さを見せることもできない。自分の気持ちをコミュニケーションできなし、気持ちを相手に伝えることもできない。

そんなマイナスな点も生まれていきます。

恋愛や人間関係でこれらを守ることで、結果的に孤独感を感じて、誰とも深い関係を築くことができなくなっているかもしれません。

自分は正しかった!母親が間違っている!

人生を通して、それを証明し続けることが出来るかもしれません。

でも、自分が手に入れたい本当の幸せも手放していくかもしれませんよね。

競争を終わらせるために

損得の基準や勝ち負けの比較から人生の主導権を取り戻す為には、自分で自分を受け入れていく必要があります。

〇〇していないと落ち着かない」

止まってしまえば取り残されるような気がして」

「何もできなくなったら、私なんて見向きもされない」

実は勝ち負けにこだわっている時は、そんな恐れを抱え続けています。

無条件の愛情や安心感を心が求めているのに、それを手に入れることができないのです。

勝負に勝っても満たされないままの心の空白を埋めていくこと。

それが自分自身を認めてあげることになります。

あなたが本当に欲しかったのものなんでしょうか?

あなたが本当に欲しかった言葉はなんでしょうか?

それを思い出そうすると、手に入らなかった時の痛みも出てきます。

だから、思い出したくないし、抵抗も出てくる。

でも、本当はその痛みさえも誰かに理解してもらい、受け止めて欲しかったのではないでしょうか?

何年も前の、何十年も前の痛みを優しく受け入れてあげること。

もし、ひとりでは怖い時は、カウンセリングで一緒にやっていきましょう。

過去の痛みを受け入れることに遅すぎることはありません。

その時をずっと待っていて、ただやり方が分からなかっただけです。

もう十分に戦ってきたと思います。

今はそっとその傷を癒してあげましょう。

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