言葉は薬にもなるし呪いにもなることがあって。
カウンセリングは【呪いとなった言葉】を薬としての言葉で癒していく作業とも言えます。
僕を長らく呪いとして縛り続けていた言葉に「調子に乗るな!」「勘違いするな!」があります。
その言葉は見えない鎖と檻となって、人生の至る場面でリピートされて、
何かをしようとすると、脳内で「調子に乗るな!」「勘違いするな!」が脳内で再生されていきます。
贅沢すること、目立つこと、新しいこと、他の人と違うこと、、、、
「調子に乗るな!」「勘違いするな!」
どうなったら調子に乗ることなんだろう?
どうしたら勘違いすることなんだろう?
その意味もはっきりと分からないまま呪いの言葉は自由を拘束していきました。
実際に「調子に乗るな!」「勘違いするな!」と言われること数千回。
脳内で再生されることはきっと数万回にもなったんじゃないかな〜。
大抵の呪いの言葉は、実際に言われる回数よりも脳内再生の回数の方が多くなるんですよね。
マンガも繰り返し読んでいく中で細かいセリフも覚えていくように、脳内で繰り返しリピートされることで心に焼き付いていきます。
今はカウンセラーとなって「調子に乗るな!」「勘違いするな!」の正体をなんとなく分析することが出来ます。
例えば、家族の中で言われてきた「調子に乗るな!」「勘違いするな!」の正体について。
4兄弟の末っ子として生まれて、
思春期でパワーが溜まっていった兄たちの行き場のないフラストレーションの八つ当たり先が僕に向かっていたわけです。
そもそも八つ当たりに理由がないから
「調子に乗るな!」「勘違いするな!」と漠然として曖昧な言葉になってるわけですね。
これは学校の先輩がいきなり「調子に乗るな!」「勘違いするな!」と言ってきたパターンきっと同じで、
行き場のないエネルギーが不明瞭な言葉としてぶつけられていきます。
小さい頃からスポーツをしていて体育会だったこともあって、この言葉は日常の挨拶のように飛び交ってました。
同じように親に、家族に、先生に言われたりした人もいると思います。
この曖昧な言葉は前触れも理由もなく降り注いでくることがありますからね。
もちろん教育やしつけの一環でということもあるかもしれませんが。
それでもそれらの言葉が呪いに化けていくことがあります。
その原因を「自分の価値」と結びつけないことです。
理由もなければ解決策もないわけですからね。
その原因を「自分のせい」してしまいやすいのです。
SNSなどで自分の意見を書くことに抵抗を感じる人がいます。
その中で「調子に乗るな!」「勘違いするな!」が呪いの言葉になっている人も多いんですよね。
顔も知らない誰かに「調子に乗るな!」「勘違いするな!」と言われるような気がして、
有名人が炎上しているのを見て、自分の身にも火の粉が降りかかってくるように思えてしまうのです。
まだ自分がやりたい仕事に就くことにセーブしてしまう人もいます。
何も悪いことも迷惑もかけていないのに「調子に乗るな!」「勘違いするな!」と言われるのだから、
好きなように生きていたら集中砲火で狙われるように思うのです。
呪いを解くためには薬としての言葉を集めていくことです。
たった一つの言葉で全ての呪いを解いてくれる薬の言葉もあるだろうし。
たくさんの言葉を集め続けてやっと呪いが少しずつ軽くなるということもあります。
一つ注意点があって。
呪いの言葉は何も前触れも理由もなくあなたの心の突き刺さることがある。
無抵抗、不可抗力で。
だけど薬となる言葉は自分から受け取りにいく必要があるんですよね。
「必死に探せ!」ということではなくて、薬も自分で飲もうとしなければ目の前にあっても何も効果を発揮しないように。
どれだけあなたの周りに優しい言葉が溢れていても、それを受け取ろうとしなければ効果がないわけです。
過去の痛みが、呪いの言葉が、優しい言葉を受け取らせないようにするかもしれません。
それでも自分の意思で受け取っていく。
自分の未来を選択していく。
すぐには上手に出来なくても、大丈夫。
あなたを救う優しい言葉は世界に溢れている。
この世界は呪いだらけではないのだから。
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