本気で誰かを愛することに怖くなってしまうことがあります。
過去に傷付いた経験があるかもしれないし、うまくいかない未来がよぎるかもしれない。
いろいろ理由があるかもしれません。
数ある理由の一つに
「自分が自分を本気で愛する準備が出来てない」という理由があります。
なかなか自覚しにくいんですけどね。
心理学には「投影」という言葉があります。
相手の中に無意識に自分を「投影」しています。
相手を愛することは、無意識に投影している自分を愛することでもあるのです。
例えばあなたが小さな女の子に自転車の乗り方を教えているとします。
あなたは今は乗れるようになっているけど、昔は何度も練習しても上手に乗れなかった。
上手に乗れなかった悔しさから自転車に乗る練習にもやる気がなくなったこともあった。
だけど、時間をかけて何度も何度も練習していくことてやっと乗れるようになった。
今、あなたの目の前にいる女の子も自転車になかなか上手に乗れません。
すると、無意識に当時の自分を思い出します。
「わたしも、こんな時があったな」と。
自転車に乗れない女の子を一生懸命応援するかもしれません。
うまく出来ない悔しい気持ちにそっと寄り添ってあげるかもしれません。
これは目の前の女の子を通して、当時の自分を応援することであり、あの時の気持ちに寄り添ってあげることでもあります。
このように私たちは、誰かを通して、当時の自分や今の自分を愛していくんですよね。
あなたが自分が自転車に乗れなかった過去をカッコ悪い過去として否定してしまっていたら、目の前の小さな女の子を応援することも気持ちに寄り添ってあげることも出来ません。
「なんでこんなことも出来ないの!?」と怒ってしまうかもしれません。
あなたが怒りを感じている時は、愛することが出来ない過去や自分がいます。
自分の中にある罪悪感や劣等感から目を背けていると相手の中にある罪悪感や劣等感が見えません。
見ることが出来ないと理解することもできません。
相手を理解できない時には、相手のことも、自分のこともちゃんと見えていないのです。
先ほどの女の子の気持ちですが、あなたが自転車に乗れなくて悔しい想いをした過去の自分から目を背けていたら、目の前の女の子の気持ちは分りません。
「これくらいのこと、ちゃんとしなさいよ!」と思ってしまうかもしれません。
例えば恋愛でも自分の中に「人と仲良くなることへの恐れ(親密感への恐れ)」と向き合うことが出来ていれば、相手の中にある「親密感の恐れ」をしっかりと見ることが出来ます。
親密感への恐れを持っている自分に対して
誰かと仲良くなることは、それを失うことを考えて怖くなってしまう。
また傷付くんじゃないかなって逃げたくなる時もあるよね。
でも、大丈夫だよ。
ゆっくりでいいから信頼してみようよ。
と優しい声を自分にかけてあげることが出来ていれば、親密感の恐れを持っている相手にも優しい声をかけてあげることができます。
また、相手の行動を怒りの目ではなくて、優しい目で見ることが出来ます。
相手のどんな部分も過去も受け入れて愛そうとしている時に、自分のどんな部分も過去も愛する準備と覚悟は出来ていますか?
その準備や覚悟ないといくら愛されても、受け取ることが出来ません。
相手に怒りを感じる時は自分の大切な部分から目を背けてしまった悲しみを感じていることがあります。
その悲しみを癒すのは相手に愛された時ではなくて、自分を愛することに覚悟を持つことです。
私たちは相手を愛することを通して自分自身を愛することが出来ますし、自分を愛することを通して相手をより理解することが出来ます。
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