「何もしていないのに疲れている」
そんな相談を受けることは実はたくさんあります。
「やりたいことがあるけれど、いつも疲れているんです。」
「もっと頑張りたいけど、思ったよりできないんです」
そんなふうに目標があっても進み出せない自分を責める形で「何もしていないの疲れている」と相談される方もいますし。
「休みの日なのに何かする前にただ時間だけ過ぎていく」「でも、なぜか知らないけど疲れている」みたいな感覚の場合もありまして。
年末などの大型連休に「何もしていないのに疲れたまま終わった」と感じられる方も少なくありません。
「何もしていないのに疲れている」
その原因をいくつか見ていきましょう。
無意識に体力を削っているもの
皆さんは1日に何本も映画を観たことはあるでしょうか?
僕は映画館で1日で3本映画を観たことがあるのですが、へとへとでした。
映画は楽しかったんですけどね。でも、3本分の作品を受け止めて消化するのにたくさんのエネルギーを使いました。
これは食べ過ぎて疲れる感覚にも似ているかもしれません。
「食べないと元気が出ないよ!」と言われますが、食べ過ぎても疲れるわけです。食べることにも疲れるし、消化することにもエネルギーを使いますからね。
元気を出そうと思って、めっちゃ食べたら、めっちゃ疲れた!ってことがあるわけです。
そう私たちは良かれと思っていることでも、無意識にエネルギーを削っていることがあります。
気分転換で何気なく見ているSNSやYoutubeでも、情報を受け止めて整理するのにエネルギーを使ってます。また友達と気晴らしにおしゃべりしてても、そこもやっぱりエネルギーを使っているんですよね。
先ほどの、ご飯や映画と一緒で「適切な範囲」「適度な量」が大切なんですよね。
疲れているから何もできないからYoutubeを観る。
疲れて何もできないから友達とダラダラ喋る。
気分転換の範囲を超えてしまえば疲労感の方が強くなりますからね。
何もしていないと思っていることでも、たくさんのエネルギーを消費しているかもしれません。
緊張状態が続いている
例えば、大事な会議や試験が予定に入っていると、その期間は静かな緊張感が続きます。まだまだ先の予定であっても、うっすらと心のどこかにそのことがありますからね。
気持ちがスッキリとしません。
また、自分の予定ではなくても、子供の試験とか、パートナーの大事な仕事、家族のケガや病気など。自分には直接関係ないことであっても、静かに影響を受けているんですよね。
実際の大事な試験や仕事に取り掛かっていない時間でも(準備が万端にできている、またはまだ準備しなくてもいい時期でも)緊張感のエンジンがONになっているわけです。
パソコンやタブレットもそうですよね。実際に使っていないけど、待機状態を続けている充電は無くなっていきます。
自己嫌悪が強い時
私たちは自己嫌悪が強い時は周りと比較して自分を責めてしまいます。
「あの人は〇〇できるのに、私は何もできていない」と。
でも、私たちは他人と比べるだけでは飽き足らずに、過去の自分や理想化した自分と比較することがあります。
「昔ならもっと〇〇できてたのに」
「本当にならもっと〇〇やれていたのに」と
「何もしていないのに疲れている」の「何もしていない」は、本当は何かしている場合があるんですよね。
例えば自分の理想では「毎朝早く起きて朝活して、夜は読書して〜」と掲げているとします。でも、仕事で疲れて毎朝起きることができなくて、月曜日と水曜日はサボってしまった!
人から見れば、「それでも火曜日と木曜日、金曜日は、朝早く起きて朝活してえらい!」と思えるかもしれません。でも、本人の自覚としては「何もできていない!」と自分を責めることがあります。
この「何もできていない!」「何もしていない!」って感覚が強く心に残り続けるのです。
そんな時に「何もしていないのに疲れている!そんな自分はダメだ!」みたいな文脈で自分を責めてしまいます。
何もしていないわけではないですよね。
我慢している感情が限界にきている
不安や寂しさ、怒りを感じないように抑えると、それだけで疲れていきます。
感情を抑えることにもかなりエネルギーを使いますからね。
ちょっとした嫌なことなら、そんなにエネルギーを使わないかもしれません。でも、それが積み重なっていけば、どんどん我慢するエネルギーは増えていきます。
疲れているのは、それらの感情を我慢するのに膨大なエネルギーを使って、自分のしたいことや好きなことをする余力が残っていない状態かもしれません。
何もしていないのではなくて、自分を抑えているわけですね。
実際に誰かを抑えつけるのは相当力が入ります。自分よりも体が小さい子供を押さえつけようとしてもすごい疲れます。
自分自身を抑えつけることは物理的に何もしていないように見えるけど、精神的にはかなりエネルギーを使っているわけです。
まとめ
何もしていないけど、疲れる原因を見ていきました。
何もしていないように見えて、実は心がものすごく動きていることもあるし、自分が思っている以上に日々の負担を自分にかけているかもしれません。
そんな自分を責めるよりも、もっと休ませてあげること。
疲労の原因を取り除いてあげることを意識していきましょう。
桑野量の予約状況やカウンセリングのご利用は以下のボタンよりご確認ください。